「8月に品切れかも…」強まるコメの不足感
「買いだめ控えて」呼びかけるスーパーも
という記事を掲載したネットメディアがあった。
コメ不足なのか、コメ不足になるのか、はっきりしない。
昨年の猛暑による不作、訪日客が増えたことによる外食需要の伸びなどから、コメ不足になりそうなことが言われている。
しかし農水省は「需給は逼迫していない」と言っているらしい。
コメ不足というのは、実際にコメが不足している場合と、コメが不足するらしい、という噂の場合の2つがある。しかしいずれも流通上ではコメ不足になる。
コメが不足するらしいという噂でコメ不足になるのは、どこかで買い占めが行われているからである、と考えるのは間違いではない。
すでに卸売業者に大量買い付けがなされているというし、コメがないスーパーもある。不足のうわさが広まるということは、コメ業者にとってはまたとないチャンスなのであろう。
昔からコメの買い占めは大きな利益をもたらした。人の弱みにつけ込むことは、どんな商売でも儲かるものである。
水戸黄門の時代ではないのだから、そんなことがあるはずはない、と考えることもできるが、人間は水戸黄門の時代と変わっていないのだから、人間がやることはいつも同じである。
前のコメ不足騒動は1993年、平成5年のことであった。
スーパーなどでは入り口から長い行列となった。
日本人に限らないのかもしれないが、人はうわさには弱い。現代はスマホがあるから変な噂は広まらないのでは、と考えられるが、かえって広まるのではないだろうか。
農水省が逼迫していないと言うことは、逼迫していると言うことと同じである。
主食としてのコメには割安感があるらしい。コメよりパンだ、パスタだ、と日本人の主食は変化してきたが、小麦の値上がりが続いては、あらためてコメに目が行くのも当然のことである。
そうなればコメの値段は高騰することになるだろう。噂次第では倍になるかもしれない。
今年も猛暑。米どころの山形、秋田では100年に一度の大雨。コメ農家の減少。
コメはいつも不足のはずだか、作る以上に食べないから不足ということにならなかったということである。みんなが食べ始めたらどういうことになるのだろうか。
暑さでコメが取れないということであれば、コメ不足は今年に限ったことではない。今年も猛暑であるから来年もコメ不足になる
日本人は、控え目で礼儀正しい国民と言われているが、時と場合による。噂ひとつでトイレットペーパーが売り場から姿を消してしまう国である。
以前のコメ騒動では、買い込んだコメから虫が湧き、若い主婦は気持ち悪さに結局捨てることが多かった。精米したコメは虫がつきやすい。あれから31年。コメを捨てた主婦は今年60歳を超える。
少々懐かしくもある。(了)
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