夜間大学を出て建築会社に就職してまず知ったのは、上司に対するへつらい。それに「社内営業」と「オレは聞いていない」と言う言葉。
この会社は労働組合の「ろ」もない超ワンマン経営。人間関係など荒廃しきったひでえ会社であったが、商売ということについてはいい勉強になった。
勉強になったが、「ためになった」わけではない。人生こういう仕事をしてはいけない、と勉強になった。
「オレは聞いていない」が口癖だった部長さんが懐かしい。爪を噛む癖があって指はささくれ立っていた。
部下のやっていることを知っていなければ部下管理ができていない。上の人間はそうやって管理職を責める。そういえば「部下管理」と言う言葉も飛び交っていた。
「『オレは聞いていない』」ということに関する一考察」という論文があってもいいと思うが、多分あるだろう。日本の社会はいつも「オレは聞いていない」であった。
高市首相が衆院解散を指示したらしい。自民党の長老たちからは「オレは聞いていない」という反発。
立憲と公明が新党結成。公明の古参議員からも「オレは聞いていない」
久しぶりに「オレは聞いていない」を耳にした。
高市首相は「オレは聞いていない」と言われても解散するらしい。
しかし毎日新聞は昨日の社説で「大義欠いた権力の乱用だ」と批判。
予算審議、物価高、対中国、旧統一教会。この国会色々審議しなければならない問題がある。
しかし言うことを聞いていたらやりたい政治ができない。高市さんも「私は聞いていない」ことにする。
なにより高い支持率のあるうちに地盤を固めたい。予算審議よりそっちの方を優先させる気持はよく判る。
総裁にしておきながら足を引っ張るのが自民党。ひょっとすると高市さんは過半数を獲得するかもしれない。
選挙は公約でも政策でも思想でも人間性でもなく、その時の風具合。
選挙のたびに、政治によって社会はよくなっているのだろうか、と思う。



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