また防衛費と地震そして落語家のがん

つぶやき

 今日はCTを撮る日である。今週末の定期検診のときの資料にするためと思われるが、今まで何回かCTなどの検査を受けていても、医師から結果について説明を受けたことがない。
 なにもなければなにもない、ということだろうが、少しは説明してくれてもいいのではないかと思う。

 喉頭がんで亡くなられた立川談志さんについて少し調べてみようとネットを見たら、昨日のテレビのサンデーモーニングでの姜尚中氏のことが載っていた。

 私はこの番組を見ていない。司会の関口宏氏が、防衛費増税問題について姜氏の意見を求めたところ、日本は世界に類を見ない地震国であり、防衛費よりも国土強靭化のためにお金を使うべきだ、と意見を述べたらしい。

 質問と答えのくい違いに関口氏が戸惑ったという様子が記載されていたが、姜氏は、耐震構造がメチャクチャな家を建てておいて、それを守るために大砲を持った方がいいとか、機関銃を持った方がいいって、やはり本末転倒ですよ、と意見を述べたらしい。
 自衛隊の総合指令部を東京において、その東京に地震が起きたら防衛も救助もなにも機能しないではないか、というのである。

 姜氏のいうことに全く同感である。国民の誰もが、そしてことに東京およびその近郊に住んでいる人々は地震を恐れている。
都会で起きる地震の怖さを皆知っているし、どういうことが起きるのか想像できるからである。

 しかし地震について語ることはタブーのようにされている。誰もが心配していることをことさら口に出して言うべきではない、というルールが存在しているようだ。確かにそれはその通りである。

 政府はどんな考えをしているのだろうか。いろいろ大地震に対する取り組みはされているようであるが、どうも国民的な運動にならない。
 地震が起きてもそれは政治のせいではない。地震を取り上げることは選挙に何の役にも立たない。かえって不安を煽ったとかで票が減るかもしれない。そんなことだろうか。

 誰もが恐れている。しかしどうすることもできない。地震とはそういうものであるが、姜氏の意見は決して夢物語ではない。
 毎年のように日本のどこかで大きな地震が発生している。天災であることはそのとおりであるが、壊滅、多数の犠牲者。そして復興の槌音高く、と外国に賞賛される日本人の辛抱強さではなく、国土強靭化を子供たちのために本格的に考えるべきではないか。

 立川談志さんの喉頭がんが気になったのは、談志さんのがんが再発がんだったのかどうかを知りたかったからである。

 談志さんは2011年に75才で亡くなっている。死因は喉頭がんとされている。
 亡くなる3年前に喉頭がん(声門がん)を発症したが、そのときどのような治療をしたのかはネットには載っていない。

 がんが分かった時点で、声帯を摘出しなければならないほどの状態だったという記述がある。
 亡くなった年の記事には、3年前に発症した喉頭がんの再発により死亡した、という記述もあった。

 医師は発症時から、声帯全摘しか方法はないと決めていたようである。発症時にはかなり進行していたということになる。
 しかし声帯全摘に対して談志さんは「落語家としてのプライドが許さない」と言って拒否し続けたそうである。
 再発というより、当初のがんがそのまま進行してしまったということかもしれない。

 命と落語家のブライド。いろいろ考えることはできるが、どっちが大事かは本人が決めることである。

 私はこの人の落語を聞いたことがない。むかし笑点とかいう番組に出ていたころ、ドイツの哲学者の名前だのなんだのと偉そうなことばかり言う落語家という印象があり、それ以来嫌いな芸人である。

 落語家のブライドから手術を拒否した。酒もたばこもやめなかったらしい。生きる道はあったと思うが、てやんでー、と自ら演じた江戸っ子のかっこよさを最後までやりたかったのだろうか。
 江戸っ子は宵越しの金は持たないというが、宵越しの命は持たない、というような死に様であった。立派な落語家だったと言 うべきなのかもしれない。

 嫌な話であるが、がんという病は助かる代償のように人間の機能を奪っていく。
 声を奪い、膀胱を奪い、肛門を奪い、胃を奪い。それでいて完治ということでもない。潜んでいていつの間にか命を奪う。やはりこわい病気である。

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