割増の退職金に気持ちが動き、会社の早期退職勧奨の話に応じて会社を辞めたが生活に行き詰まった、という話は多い。
割増退職金は人生初めて手にする大金ということが言えるが、生活においては大した金額ではない。もたもたしているとすぐに無くなってしまうものである。
そのことに気づかずに、少しはくらいはいいだろうとキャバクラ通いをして、一文無しになった男が私の周りに何人かいる
商売を始めてもうまくいくはずがなく、再就職は絶望的であり、大半の人はアルバイトや立場の弱い職につかざるを得ない。
人生100年とは言わないまでも、65歳から90歳まで老後生活とすれば、ちょっとやそっとの貯金では足りないことになる。
この25年に年金を25万としても、5千万円の貯金は必要だと考えられる。つまり年間500万の生活である。
年間500万の生活が贅沢なものなのか、切り詰めたものなのかは人によって異なるが、ローンのない持ち家に住み、ごく普通の生活費と家の修理代や家電品や車の買い替えなどを考えると決して潤沢とは言えない。
60代、70代の20%の人が3,000万円以上の貯金を持っているという。新聞の記事には「思ったより少ない」と書かれている。70歳代の平均貯蓄額は1,200万くらいとなっている。
国民の貯蓄額が時々新聞などに記載されるが、ほとんどの記事が「3,000万円以上」を最高額としている。ということは最低3,000万円が老後資金として必要ということなのであろうか。
3,000万円以上ということであるから上は何億とキリがないが、そういう人達は別格として、ともかく3,000万円以上という金額が必要だということではないか。
3,000万円の貯金を25年間に割り振れば、年金と合わせて年420万円となり、1か月の生活費に充てる金額は35万円となる。
しかし夫婦二人世帯で25万円の年金を受給しているのは3割に満たないらしい。そうであればさらに1か月の収入は下がることになる。
いろいろネットなどに老後の必要資金について記事が載るが、いずれも判ったようで判りにくい。
平均ということが言われるが何が平均なのかがはっきりしない。平均というのが現実的でないからである。
平均がこんな数字であるなら私の住む街でも生活破綻者が数多く出ていなければおかしい。
みんなどのくらいの貯えをもって生活しているのだろうか。ご主人が亡くなられた人は本当に少ない年金しか入らないことになる。多くの貯えがあるとも思えない。
月5万円で生活しているという女性のブログがあった。しかしみんな静かに暮らしている。
みんな結構お金を持っているのか、実は苦しいのか、何も言わないから知りようがない。(了)
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