この冬を乗り越えられるか

つぶやき

 人間の身体は神様がつくったことになっているからよくできていると言われるが、それにしてはガンだの脳梗塞だの心筋梗塞だのと、死に直結するような病気を神様はなぜ用意していたのだろうか。

 寒くなったためかこのところ血圧が高い。
 1週間前の定期検診で医者は「薬の量を増やそうか」と独り言を言っていたが、結局増やすことはなかった。それも気になり、今まで家庭の血圧計に出たことのない数字がこのところ続くので、医者に行くことにした。

 血糖値は食べ物や飲み物の節制で多少はコントロールできるが、血圧はどうしようもない。医者は「塩、運動、酒」と言うが目に見えて効果が出るものでもない。
 
 結局、診察室血圧は前回とほとんど変わらず、気になるなら薬の量を増やしましょうと処方箋をもらい、「でもまだそんなに重症ということでもない」という医者の言葉に安心して帰宅し、いつもの酎ハイを口にした。血圧に酒はいけないことは考えないことにしている。

 血圧でも血糖値も基準値を超えたら治療を始めるということではないらしい。基準値から、治療を始めた方がいいという数値まで、少し幅があるようだ。様子を見るということなのだろうか。
 しかし高齢ということはなんでもかんでも確実に悪くなっていく。

 以前仕事で知り合った司法書士が20歳くらいの頃、反社会的と言われる組織に入っていたことがあると私に言ったことがある。
 県立のトップ高校を卒業し、父親は東大出の弁護士であった。
 もともと優秀なのだろうが、そういう男でもあの世界には何か魅力を感じるものらしい。
 
 そういう経験をしたことのある人間であるなら聞きたいことがあった。
 あの世界の人達の一番の死因は何かということである。
 まさか組の抗争によるキッタハッタを期待したわけではない。

 「糖尿病ですよ」と彼が言う。彼らは酒と女性と美味いもので暮らしている。糖尿になるのは当然のことだと言う。
 納得する答えであった。もちろん全部が全部ということではないだろう。

 先日、桂雀々という落語家が64才で亡くなったらしいが、かなりひどい糖尿病であったようだ。死因は糖尿病による肝不全となっている。
タレントでミュージシャンで、元タケシ軍団という66歳の男性は、血糖値が630あったという。心筋梗塞の手術を行い、透析もしている。

 芸人さんは、と話をまとめる気はないが、芸人さんは糖尿の人が多い。
 芸の肥やしと、飲んだり食べたり遊んだりしてしまうのだろう。芸に生きるとはそういうことだと思っているようだ。

 しかし、生きるためには食べなければならず、食べれば血管を傷つけてしまうとは、本当に神様は何を考えて人間をおつくりになったのだろうか。

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