熊害がひどい。連日熊害が報じられているが、すでに9人の犠牲者が出ている。
 熊害は今年始まったものではないが、熊による被害が今までの状態を越えて、人間社会に深刻な危険を及ぼすものになってしまった。 
 
 9人の犠牲者は北海道と東北地方の人達で、地域は限られているというが、これほど広い地域で熊が同じような行動に出て人間を襲うというのは不思議なことである。熊たちが示し合わせて人間を襲っているように思える。
 
 キノコ狩りや山菜取りの山中での被害が多いが、自宅近くの散歩中とか畑で農作業中に被害に遭った人もいる。熊の領域に人間が踏み込んだことでもないのに被害が続く。
熊の被害は木の実の豊作と関係があるという話は当然のことで、豊作であれば被害は減少し、凶作であれば被害は増える。熊害はこの繰り返しとされてきたが、しかし最近はこのパターンに異変が起きているという。
毎年熊が人里近くに頻繁に表れるようになったらしい。熊が人を恐れなくなった。人里にはおいしい食べ物がたくさんあることを学習したとされる。
きのうテレビで熊が鶏を襲う映像を見たが、熊にしてみればこれほどのご馳走は山の中にはない。ブランド鶏であったらしい。
吉村昭氏の小説『羆嵐』が熊害を伝えている。北海道苫前村の開拓地に現れた一頭のヒグマが、わずか数日間で7人を食い殺し、村を恐怖の底に叩き込んだ。1915年の三毛別事件と呼ばれるらしい。
 怖い話である。妊婦が熊に襲われる場面で、「熊が胎児の味を覚えた」という表現があったように思う。
  
 熊が女性の身体を噛みちぎり、遺体を雪に隠して保存食にしたという記録もあるらしい。
むかしクマゴローいうアニメ番組があったが、このアニメで子供の私はアメリカにイエローストーンという動物園があることを知ることになった。クマゴローの声はあの懐かしい滝口順平さん。
 熊にはこのクマゴロウの他、森のくまさんや熊のプーさん、それにテディベアなどいずれも愛すべきキャラクターになっている。
 人を殺すような動物がなぜ愛すべきキャラクターになるのか。
別に熊害に結び付けるわけではないが、森のくまさんの歌詞、おかしくはないだろうか。
 「ある日森の中 くまさんに出会った 花咲く森の道 くまさんに出会った」
 この部分には熊に出会ったことの怖さはない。
 「クマさんのいうことにゃ お嬢さんお逃げなさい スタコラサササノサ」
 クマさんは自分が危険であるからお逃げなさいと言っている。
このあとくまさんはお嬢さんを追いかけてくるが、それは落とし物を渡すため。危ないから逃げなさいと言ったのに追いかけてくる。それが面白いということなのか。
 この曲はNHKの「みんなの歌」でダークダックスが歌ったとされている。
 つまらない歌をNHKもダークダックスもよく取り上げたものだと思う。
熊をくまさんと呼ぶから、人は熊をあまり警戒しなくなったのではないだろうか。くまさんには日本人は昔から馴染みがある。
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