日本の「国民全体の総貯蓄額(家計金融資産)」は概ね 2,000兆円。
そのうち高齢者(主に60歳以上)が保有する割合は約60%前後。70歳以上だけで40%前後を保有しているといわれる。すごいことである。
日本の高齢者は金融資産を多く保有し、取り崩しが非常に少ない。85歳以上でも平均1,550万円を保有し、取り崩しは1割台半ばにとどまるという指摘がある。
政府の経済財政白書は、「長生きリスクが強く意識され、支出を抑える傾向がある」と分析している。
日本の財政が限界に近い。社会保障費は毎年増加、現役世代は減り続け、税収の担い手が細る。その一方で、高齢者の資産は積み上がったまま動かない。
高齢者の所得は低いが、資産は大きい。高齢者の所得から税収をあげることはできないが、資産に対して課税できるのではないか。政府の考えることはこんなことしかない。
国は自ら稼がない。国民から税金を搾り取ることしかない。高齢者が貯金を動かさないなら動かすしかない。
既に政府やシンクタンクは「高齢者の資産をどう動かすか」をすでに政策課題として扱っているという。ペナルティを課してまでむしり取ろうとするのではないだろうか。
しかし「実質的な資産課税」はすでに始まっている。深く静かに。国民はまだその実態をあまり理解していない。今日付けの、このブログの前の内容はそのことである。今後一層強まる可能性が高い。
介護保険の負担割合の引き上げ(所得だけでなく資産も考慮する)、医療費の自己負担増(後期高齢者の2割負担)、相続税の基礎控除縮小、固定資産税の見直し、金融所得課税の強化案
これらは資産を持つ人に多くの負担を求める方向性を示すもの。
年金制度が破綻しつつある中、国民は老後のために貯金しなければならない。老後のために貯金して、資産があるからといって負担を強いられる。
国が高齢者の預金から手っ取り早く税収をあげたいとすれば、「預金税」とか「資産税」とかいうことになる。
しかしそれではあまりに露骨。技術的にも政治的にもハードルが高いし、国民の反発が大きすぎる。銀行から資金が逃げ、金融システムが不安定になる。
だから公平を装って、持てるものはそれなり負担に応ずるべきだとする。
しかし資産は公平な競争社会から積み上げてきたもの。資産を持たなかった者は努力をしなかっから、ということも言える。資産を持つには、収入の都度高い税金を払ってきた。
努力をした人が努力をしなかった人のために、なぜ自分の資産を出さなければいけないのか。公平に名を借りた国の不法行為である。


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