「遥かな友に」という合唱曲は早稲田大学グリークラブの歌。
指揮者であった磯部俶氏が作詞・作曲したもの。だから早稲田グリー以外は歌うべきではない。
しかしいい歌である。だからみんな歌うようになった。私が入っていた大学夜間部の合唱サークルでも、遠慮しながら歌ったことがある。
出だしは、「静かな夜ふけに いつもいつも 思い出すのは お前のこと」
静かな夜ふけになると、いつもこの曲を思い出し、口ずさむ。そして少し考えることがある。
「遥かな友」というのは遠くにいる友のことなのか。
「遥かな友」というのだから、遠くにいる友のことを想ってのことだと思うが、作者の意図に関係なく、「遥かな友」とは、友だがなかなか心が通いあえない友のことを言うのではないかと思う。
思考がそう思わせるのではなく、酩酊がそう思わせるのである。
友はいつもそばにいた。だが理解し合えることはなかった。だが青春とは理解し合えると思い込むことであったから、心が通い合わない友も友であった。
その友がみんな死んでしまった。歳をとって、もう心を通い合わせる必要もない時になって、みんな死んでしまった。
分かり合えない部分が、友の輪郭をつくっていると知るべきであった。
友は、いつも“遥か”だった。
今晩も地震がないことを祈りつつ。



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