さらば昴よ

つぶやき

 キックバック問題は思いのほか大きな問題になりそうな気配である。
 かつてのリクルート事件における政治家の関わり方に比して、今回の事件はより悪質だという認識が検察にあるという。
 単に賄賂を受け取ったというのではなく、政治家自ら裏金を作ったということが問題であるらしい。そうであるなら検察はしっかり訴追し、責任を果たしてほしい。

 安倍派の幹部4人が事情聴取を受けたという。安倍派壊滅という報道もあるが、別の派閥からすれば千載一遇のチャンス、ということなのであろうか。栄枯盛衰、諸行無常という言葉が浮かぶ。
 どうして政治に金がかかるのか。元東京都知事の人が「地方議員と有権者のゆすりたかり体質が原因だ」と言う。この人も家族の食事代まで公費にたかった人だった。

 今年もたくさんの有名人が亡くなった。こんな人が亡くなってしまったら日本はどうなるのだろうか、という人が亡くなってしまう。
 死んだらすべてお終いである。映画のように「次回、乞うご期待」といって終わるわけではない。当たり前の話であるが、当たり前を確認したくなるのが死というものである。

 谷村新司さんの訃報に接してまず浮かんだのは「昴」であった。30半ば過ぎの頃だったと思うが、勤め先の近所のスナックで歌ったことがある。
 歌う人には高揚感のある歌だが、聞く人には白ける歌である。立派すぎるからだろうか。スナックなどでこの歌を歌ってはいけない。この歌は誰でも上手っぽく歌える。歌うと陰で馬鹿にされる歌である。

 しかしいいメロディラインであることは間違いない。軍歌も含めて日本人の奥底にあるメロディを取りまとめたという感が無くもない。
 意味するものがなんなのか良く分からない歌詞もいいのかもしれない。谷村氏の作家としての才能を批判しているわけでは決してない。歌とはそういうものである。

 今年のN響第9の指揮者は日本人だそうである。昔は名前が気になったものだが、この歳になると日本人ということで十分である。一度ほど聞いたことのある人だが、多分いい演奏をすることだろう
 
 昔、行きつけの居酒屋で知り合った人と音楽の話になり、指揮者によって音楽が変わるということが信じられないと言う。
 その人には、そんなことはあり得ない、ということなのである。
 この人はモダンジャズの方に詳しい人であったらしい。こういう人に指揮者の話をしても意味がない。世の中には話をしてはいけない人がいるものである。

 ブログを終わろうと保存にしたらウェブ画面になり、竹入義勝氏の死が報じられていた。97歳。かつての公明党委員長である。
 長生きをしていたのだなと思う。元気な人だったという記憶はあるが、それ以上のことは記憶にない。
 池田大作氏の後を追ったということはないだろうが、ひところの政治を担った人である。皆さん「さらば昴よ」である。(了)

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