トランプは言うだろうなと思っていた。今回の飛行機事故のことである。予想通り、「民主党のせいだ」と言い出した。
オバマとバイデンなど民主党前政権が多様性政策を推進した結果、惨事が発生したなどと主張した。
トランプは性の多様性に理解を示さない。今回の事故に対してこんなことを述べている。
≪民主党政権が推進したDEI(多様性、公平性、包摂性)施策について、彼らは、連邦航空局による安全確保の任務のためには多様性が不可欠だと言っていた。しかし、私はそうは思わない。全く逆だ。我々は能力がある人材を求める≫
優秀な人間以外は社会にとって不要だ、という考えが根本にあるようである。LGBTなどについては人間ではないと思っているようだ。あのドイツの独裁者もそうであった。
日本の首相はおとなしい。「何事も皆さんのご意見に従って」という立場である。その石破首相が施政方針演説で、「楽しい日本」を打ちだした。
あのつまらない顔をしている石破さんが「楽しい日本」というのだから悪いことではない。
しかし当然それに噛みつく議員はいる。れいわ新選組の山本太郎代表は、「石破さんが苦虫をかみ潰すような顔をしていては楽しい日本は作れない」と指摘。
山本氏は芸能界を干されて、芸能界での知名度で議員になった人。
何もしないのに人を非難することはたやすいことを地で行く人である。
「楽しい日本」に対して社会の受け止め方は様々である。
「ふざけんじゃねえ。今の経済状態を何だと思っているのか」
「小学生でも言える言葉だ」
「できるかどうかは別に目標としては賛成」
「分かりやすい言葉だが、政策の中身が見えない」
能登半島地震の被災者の人々にはこの言葉は響かなかったらしい。
地震、洪水に打ちのめされた人たちに「楽しい」はない。
思想家という人が石破首相の演説について、「言っていること自体は間違っていない。言うべき時と場所が違う。お通夜の席で希望を語るようなものである。世界で戦闘は絶えず、トランプ米大統領の誕生でさらに混沌としている。国のリーダーはもっと輪郭のはっきりした国の姿を示すべきだ」と述べている。
輪郭のはっきりした国の姿を示した総理大臣は過去いなかったように思う。
日本はもうだめだ、という傾向が社会にあるが、でも大丈夫なのではないか、という気持ちもあるのが日本の社会である。
すべて曖昧を良しとする社会である。
先の選挙で自民党が過半数をとっていればどういう施政方針演説になったか。「楽しい日本」という言葉は出てこなかったはずである。
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