相続登記が義務化されることになった。登記をしないと過料に処せられる。
もともと登記は義務ではないのか、という疑問があるかもしれないが、登記には2つの意味がある。
表題の登記と権利の登記である。
この二つの登記のうち、表題の登記はもともとも登記しなれければならないとされているが、権利の登記はするもしないも国民の自由、ということになっている。
なぜ表題の登記は義務で、権利の登記は自由なのか。
税徴収のためである。建物を新築した場合など、表題登記を義務としなければ国はその建物を把握できない。
ただし現在は航空写真の発達により登記するまでもなく行政は把握できる。そういうことでは表題登記を義務とすることの意味はない。
では権利の登記はなぜ自由なのか。国民がどんな権利を持とうが知ったことではない、ということである。
ところが権利の登記は自由。(相続登記もそうである) やりたければやればいい、としていたら、みんなやらなくなってしまった。やれば登録免許税など費用が掛かるからである。
その結果、所有者不明の不動産がそこら中にできてしまった。
困ったのは相続人ではなく、国や地方公共団体。所有者不明の不動産が社会問題となったのである。
登記をして権利の保護を求めるなら願い出ればいい、と偉そうにしていた国が、それでは困るから義務とする、というのが、相続登記の義務化ということである。
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