食 糧 危 機

つぶやき

 岸田総理大臣の、明快のようでいて個性のない演説をテレビに見る。
 国葬問題、旧統一教会問題。まさに「難しい対応を迫られることになりそうです」というNHKの決まり文句の状況にいるのであろう。

 淡々とした口調は政治運営の自信を示すものなのであろうが、そのようには伝わらない。

 内閣総理大臣は一国を代表する政治家である。風格、人望、尊敬、権勢などの言葉が付されてもいいように思うが、日本の総理大臣にはそれがない。しかし総理大臣誕生の経緯が少し気になる。

 岸田さんは、あまり存在感のある政治家ではないが、あのハッタリ屋の安倍さんが長く総理大臣であったことが不思議である。

 麻生さんもわずかの期間総理大臣であったが、あの曲った口から出た言葉には、尊敬など思いもつかない下品があった。

 国会中継を見ていていつも思うが、総理大臣はこんなにまで質問に答えなければいけないのだろうか、という疑問がある。

 詳しくは知らないが、国会は1年の半分近くは開催される。国の執行機関である総理大臣が、その期間中国会に張りつけになっているわけである。なにか無駄な気がする。

 野党の議員にとっては、各委員会での政府に対する質問が、自分なり、所属政党の存在をアピールする唯一の場となる。

 本来法案の内容に対して質問するべきであるが、それでは当たり前すぎてインパクトがない。

 法案に関係があろうがなかろうが、政府の不正を追及して、新聞などが取り上げるような目立つ質問にしなければならないのである。

 以前公明党が野党であったころ爆弾男と言われた議員がいて、動かぬ証拠とやらの領収書などを振りかざし、しきりに政府の不正を追及した。

 私もその議員に会ったことがある。労働関係法案の制度論をするための面会であったが、法案に対しては全く関心がなく、その議員が欲しがったのはスキャンダル情報であった。

 スキャンダルは誰かがリークしなければ外部に漏れるはずはない。公明党は与党になる前は、スキャンダル追及の多い政党であった。情報源はどこなのかと考えたが、各省庁に就職しているある宗教団体の信者たちであるらしい。

 プロレスのアントニオ猪木さんが亡くなった。この人は以前参議院議員であったらしい。

 故人に申し訳ないが、この人の訃報より議員であったことのほうが私には驚きであった。そう言われれば議員になったこともあったような気もするな、というくらいの記憶しかない。

 プロレスラーは議員になってはいけないとは言わないが、できたらならないほうがいい。プロレスラーはプロレスに専念して、政治を志す人に席を譲った方が日本のためになると思う。

 日本の借金は1000兆円をはるかに超えた。借金は返さなければならないものだと思うが、自民党の一部の議員の発言を聞くと心配することはないような気にもなる。

 国債の発行を続け、それを日銀が買い取る。私にはその仕組みがどういうことなのか、どういう結果になるのか、皆目分からない。

 外国と違って国債の引き受けをするのは日本人であるから破綻することはないというが、まさか最後はお国のためだとして、国民に債権放棄させる気ではないだろうか、との思いがよぎる。戦時国債を持ち出すまでもない。

 ある議員は、財政破綻は国民の不安を煽るものでメディアの陰謀である、とまで言っている。

 政府を信じて安心していいのかもしれないが、しかし借金は借金だ。
 世事に疎い母が生前、借金する人間が返せるはずはない、とよく言っていた。教養のない母の言葉の方が正しい気がする。

 日銀が為替介入したという報道があったが、円安はさほど変わらない。円安についても知識がないので、現在のことも近い将来のことも見通せない。

 ただ円安やウクライナ侵攻などを原因として日本の食糧危機が言われている。
 日本の食糧自給率はいろいろ計算方法があるらしいが30%台らしい。

 景気の良かったころは、足りなければ外国から買えばいい、という威勢のいい言葉がいつも聞こえていたものだ。

 確かに買えればいいがこの食糧危機は、買えなくなってきたらしい、ということからの危惧である。

 日本はいずれまたサツマイモとすいとんの国になる、という外国の指摘もある。
 日本は競争相手がいなかったときは強かった。

 選挙のことしか関心がない日本の政治システムで、日本の危機を乗り越えることができるのであろうか。(了)

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