今日は朝から雨。寒いし空がどんよりとしていると気分が滅入る。
「今日も元気だ タバコがうまい」というフレーズは、タバコのコマーシャルに使われたものなのか、それとも東海林さだおさんの漫画のギャグだったのか。
そんなことが気になってネットで調べてみたら、昭和32(1957)年に日本専売公社が発表した紙巻きタバコ「いこい」の宣伝用ポスターのコピーであった。
「その名調子とどこかとぼけた感じが面白がられ、のちの漫才やコントなどにもよく引用された」と解説にある。東海林さんのギャグかと思ったのはそういうことからのようだ。
因みにJTの記録によると、この年から8年後の昭和40年の喫煙率は男性82・3%、女性15・7%で、日本の喫煙人口のピークであったらしい。記録の最終年である平成30年は27・8%、女性8・7%。ずいぶん減ったものである。
しかし「今日も元気だ タバコがうまい」とは、今思えば国家滅亡のようなコピーであった。
現在ではタバコの健康被害が指摘され、タバコのパッケージにはそのことが記載されるようになったが、ほんの数十年前まで公的組織がタバコを奨励するような宣伝をしていたとは、あらためて社会はいい加減なもなのだと思う。
先日川島町の農産物販売所に行ったが、コメは5キロ4000円台で売られていた。
備蓄米放出で米価の値下がりを図ったはずなのに、以前のように5キロ2000円台というのは遠い昔の話になったようだ。
鈴木農水大臣が就任インタビューで、「政府は米価に介入しない。市場原理に任せる」という発言をしていた。
この発言に違和感を持ったが、それとともにこの鈴木大臣の偉そうな態度に腹が立った。
今日の毎日新聞日曜版で松尾貴史氏が鈴木大臣のことをとりあげていた。
松尾貴史氏のエッセイは、「ちょっと違和感」と題するもので、すでに10数年続いている。このブログにも書いたことだが、するどくそれでいてユーモアも込めてなかなかいい文章を書く人である。
松尾氏も「政府は米価に直接介入しない」という鈴木大臣の発言に違和感を持ったが、松尾氏の話はその後の鈴木大臣のたとえ話にあきれたようだ。
鈴木大臣は、「政府は米価に介入しない」という姿勢についてインタビュアーから問われた時、「洋服の値段が高くなった時に、政府が『洋服が高すぎるんじゃないか』というのはおかしい」というたとえ話で、米価に介入しないことの理由とした。
松尾氏はこの回答について、実に論理明快に鈴木大臣の無責任さを指弾している。国民の生命線であるコメの価格と洋服の価格を同列に語れるものなのか。詳しく引用することもないが松尾氏の言葉には納得するものがある。
鈴木大臣は東京大学法学部の出身で農水省の元役人。まだ43歳である。出身省庁にいわば凱旋。人生絶頂期といっていいかもしれない。
農水大臣というポストに就く人は過去いろいろ問題を起こす人が多い。このためマスコミでは「鬼門」「呪われたポスト」と呼ばれているらしい。
国民と政治家の視点がずいぶん離れているような気がする。鈴木大臣が「呪われたポスト」であることを証明することになるのではないか。


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