肺の病を家内が罹患して以来いろいろ調べてみたが、ひょっとして病名の一番多い気管は肺ではないかと思ったことがある。やたらと肺に関する病名が多い。
ネットのメディカルノートという記事で試しに調べてみたら、肺が49、大腸・小腸が28位、胃が15の病名が掲載されていた。
主だった病気はこれらの気管だけかなと思ったが、心臓も調べてみるとこれは46。肺に続いて多い。
病名のつけ方ということもあるだろうから、この数字が正確とは言えないかもしれないが、肺と心臓が多いというのは納得である。
心肺停止と言う言葉もある。人の死は呼吸が止まるか心臓が止まるか。
呼吸が先に止まる場合もあるし、心臓が先に止まる場合があるらしい。どっちが先ということはないらしい。
肺の病気と言えば結核と言われていた。昔は労咳と言ったが、貧乏長屋の浪人が傘張り中に咳き込んだり、現代の映画では、売れない貧乏作家が咳き込みながらぺンを走らせるシーンがよくある。山田洋二さんは寅さんの映画でそんなシーンを撮っている。
私の父も晩年は結核を患っていたらしい。結核の薬が日本で普及し始めたのは戦後のこと。父ももう少し生きていれば間に合ったのかもしれない。
肺炎は日本では3位の死亡原因だそうだが、最初から肺炎の場合もあるし、がんなどから体調が崩れ肺炎になる場合も多い。私の知人も肺炎によって命を落とした人が何人もいる。
先日肺MAC症の新聞記事を目にしたが、原因が意外なことから気になっている。感染症であるが、症状は結核に似ているが全く異なるもので、かなりの時間をかけて肺にダメージを与え、治療は難しいとされている。
原因となるMAC菌は、水の中や土の中など、身近な自然環境に生息しているという。風呂場の汚れた箇所や排水溝、ぬめりを帯びたシャワーヘッドなどに存在し、水しぶきやミストと一緒に吸い込んでしまうらしい。
庭いじりの土の中にも菌はあるということだから、マスクをしながらガーデニングをしなければならにないことになる。
汚れを洗い流すところや、花を楽しむところに命に関わるような病原菌が潜んでいるとは、なんともやりきれない。
病気はある日突然である。しかしがんなど調べてみると、共通した原因として酒とタバコが挙げられている。
いずれも嗜好品。酒のコマーシャルは若い女性タレントまで出演して「オイシー」と叫んでいる。自粛などということはない。
タバコのコマーシャルは最近さすがになくなったがほんの少し前まで「タバコは生きるために必要ではないが、人生には必要」というコピーがあった。
タバコの害を伝える気はないらしい。
人の嗜好品が人の命を縮める。そういうことでもいいのかなと思うが、病気になると後悔する。
人生あらかじめ後悔することはないから、そういうことになるしかない。



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