どんな症状でも2週間続けば医者に行くべきと医療記事にあるが、私は声がれが生じてから4か月も行かなかった。
のどの病気であれば食事をしたり、水を飲んだときに喉に引っかかるものと思っていたので、その症状がなければ問題はないのではないかと思い込んでいた。
しかし声がれと共に息苦しさを感じるようになった。こりゃちょっとおかしいなと思って町医者に行ったが、即大きな病院に紹介状を書きますということになった。
のどが気管と食道に分かれていることを知らなかった。
4か月以上も放っておいてしまった。ネットで検索しまくったが、かなり進行しているのではないか。そんな不安を胸に確定診断になったが、初期の喉頭がんということだった。
喉頭がんが進行すれば喉頭全摘となって声を失う。それだけでなく、呼吸に影響するから鼻もかめず、トイレで息むこともできず、風呂も首までつかれない。
声を商売とする落語家や歌手の人達が、声を残すことにこだわり命を落としていったことを知った。
私の手術は声帯を残しての部分切除。本当にこの手術でがんが取り切れたのだろうかという不安が無くなることはない。再発すれば全摘か放射線治療。
家内が入院することになった。健診で見つかった病変だが、その際の医者の見立ては「大丈夫、心配ない、95%陰性」
何が陰性なのかこの藪医者。病気を治すのではなく、患者のウケばかりねらい、なんでもかんでも「安心して経過観察」の乱発。この医者を信用していたら家内は命を落とすところであった。
天の助けと言うのか、今年の健診は別の医師。即座に異変を指摘して「大きな病院」を紹介した。
原因は私のタバコにある。タバコの害は私の喉頭がんで勘弁してほしかったが、家内にまで及ぼしてしまった。
手術をしなければ確定診断ができない病変である。
高齢の身、手術に耐えられるのか、取り切れるのか、合併症はどうなのか、不安は尽きないが、悪い要素はない。
いろいろ昨年から検索し尽くしてきたが、医者の言うことにいい加減なところはない。私の担当医がそうだったように、医者が悲観的なことを言わないときは本当にそれを信じていいらしい。
若い医師である。老練より新進気鋭がいい。なにより手術は医師の視力が成否を決めるという。彼は眼鏡をかけていない。
ただ「身体髪膚、之を父母に受く。敢て毀傷せざるは、孝の始めなり」
家内の身体に初めてメスが入る。耐えられないほど申し訳ない。
入院は1週間。1日も早く過ぎたことにしたい。



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