余命宣告を受けて96歳まで生きる

つぶやき

 便が楽に出てくれればこんないいことはないが、時には思い切りリキまないと出ない場合がある。肛門が何かで塞がれているように感じる時は、リキんでもリキんでもどうしようもない。

 喉頭を摘出するとリキむことができなくなる。鼻をかむこともできないらしい。人間の身体はどこがどうでもみんな大事なものであることを思う。

 トイレに行きたいときに行けるということほどありがたいことはない。
 災害が起きた時の避難所のトイレの話はよく耳にするが、混雑ということもあるが、汚らしく不衛生なことから我慢してしまう人が多いらしい。

 トイレの汚さが想像できるが、我が家で行きたいときに綺麗なトイレに行けることの幸せを感じる。

 この何日か、田中美智子先生のことを思い出している。元日本福祉大学助教授で、衆議院議員5期15年を務めた人である。
 私が30歳の頃、国会に関することでお世話になった。

 私がお目にかかったときは55歳。とてもお元気そうに見えた。
 ネットで関係記事を探してみると病気のことがずいぶん書かれている。

 27歳のとき結核で3年間療養、右肺切除。51歳のとき乳がんが見つかり右乳房切除。81歳のとき大腸がんが見つかりS状結腸がん切除、ストーマ(人工肛門)を造設、抗がん剤投与のため3ヵ月入院。
 83歳よりブログ「自然と猫と私」を始める。87才のとき「まだ生きている」という本を出版されている。

 2019年2月に96歳で亡くなられている。81歳で大腸がんが見つかったときは余命数ヶ月ということであったが、手術を経て完治した。
 お歳を召されて秩父の老人ホームですごされていたようだ。

 81歳で大腸がんが見つかり、ストーマの生活になり、余命宣告を受けて96歳で亡くなる。すごい人生だったのだと思う。

 先生にお目にかかったのは衆議院の議員宿舎であった。国の、ある制度の運用において犯罪ともいえる問題に遭遇していた。

 私はまだ30歳。正義感に燃えていた。先生は私の話に耳を傾け、理解してくれた。
 一度しかお目にかかっていない人であるが、懐かしい人なのである。

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