高齢者の生活破綻の話がネットには多い。最近では、潤沢な資金に恵まれての老後なのに破綻してしまったとか、資金が足りなくなってしまったという話が多くなっている。貧しい人が破綻しても面白い話にならない。
68歳で退職して預金は退職金を合わせて7000万円。年金は夫婦ふたりで25万円に近い。万全な老後と思っていたが、老後資金が心配になってしまったという話。
サラリーマン生活を終えると、「長年のご褒美」としてお金を使いたくなる。ご褒美は海外旅行が多いらしい。それも、ここまでがんばって来たのだからと、ビジネスクラス。
この記事の夫婦は2〜3週間の長期旅行を年2回ペースで楽しんだそうだ。もちろんビジネスクラスでホテルはいずこでも一流。レストランも現地の有名店。毎回相当の額がかかったが、後悔はなかったと言っている。
ところが、そんな生活を3年ほど続けたある日、通帳を見て違和感を覚える。違和感と書いたのはネットの記事のまま。違和感というより「通帳を見てびっくりした」でいいのではないか。
「え、あと3,800万円しかない…?」
確かに3年前には7,000万円あったはずの残高が、思っていた以上のペースで減っていた。旅行だけでなく、車の買い替え、孫への贈り物、趣味の美術品購入など、「小さな贅沢」が積もり積もって、年間の支出は想定よりずっとかさんでいた。
3年間で3200万円つかったことになる。68歳で3800万の老後資金となれば決して潤沢とは言えない。
「持病も出てきて、これから医療費も増えそうです。旅行はしばらくお預けです。それよりもこの先何年生きるのかが正直わからないのが一番怖い」
皆それを恐れて生きている。ご褒美に気を取られ、人生設計を間違えてはしょうがない。旅行の思い出で生きていくわけにはいかないのだ。
70歳男性の平均余命は15.6年と言われている。この記事の人のように、老後の早い時期にお金を多く使ってしまい、生活が立ち行かなくなる「長生きリスク」が近年注目されているという。
長生きすることがリスクになる。長生きはいいことであったはずだ。
「生きている限り、生活費はかかり続けるという現実から逃れることはできません」というのがこの記事の〆。
この文章の意味がわからない。あたり前じゃないか。
生活費が無くて現実から逃れることはできないから、みんな困っているのではないか。
老後資金が十分あったのにそれをつかい過ぎてしまったというような話にはつき合っていらない。
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