「相続登記は自分でできる」というテーマでブログを書き始めたが、他人様の役に立つような文章を書くことはどうも面倒で途中で頓挫した。
そんなテーマで書き始めたのは相続登記が義務となったからである。
もともと相続登記に限らず登記というものは、するもしないも国民の自由というものであった。と言うより「お上(おかみ)に願い出るならやってやる」というものであった。
それが義務となったのは、国民のためを思ってのことではなく、所有者不明の空き家住宅が増えたことによる行政負担の回避のためである。
そんなことから司法書士などに高い報酬を払わされてまで登記することの馬鹿らしさを少しでも防ぐため、相続登記の手引書のようなブログを思いついたのである。
そんな時、「あっという間に人口1億人割れなのに… 日本に新たな「住宅」「高速道路」「新幹線」は必要なのか」という記事がタイムリーに目に入った。
サブタイトルは「空き家も新築住宅も増え続ける異常」
標題の言うとおり異常である。空き家が増え続けているというのに、マンションや住宅を大量に供給してどうしようというのか。
もちろんそんな単純なことでないことは判っている。マンションや住宅の販売は民間企業の商売。空き家問題などで事業を停滞させるわけにはいかない。去年より今年、今年より来年と業績アップのことしか頭にないのが民間企業である。
「高速道路」「新幹線」の建設は政府の主導である。高速道路の延長も北海道や四国などにおける新幹線の着工も、計画予定は目白押しのようである。
「地方創世」は 「高速道路」「新幹線」とセットになっている。
だがしかし、やはり考えなければならないのではないだろうか。高速道路を作り、新幹線を走らせることによって日本が発展する時代は終わりつつある。
なにより少子化対策がまったく効をなさない。
人口が減り、働き手が減れば税収が減るのが確実なことである。これ以上、道路や鉄道インフラを整備することは、将来の負担が破綻につながる。
コンパクトな社会にシフトを変えるべきではないだろうか。
国民が相続登記をしなかったは登記をしてもなんの効力がないからである。その結果生じた空き家問題の原因を国民のせいにして、こんどは相続登記は義務だとしている。登記制度の問題点を掘り下げることがない。
相続登記のことから一事が万事というつもりはないが、日本の政治は政権をとることが政治ということのようになっているように思う。
あんなにしょっちゅう大臣が代わっていては何もする暇もないのではないか。
最後に、ネット記事の冒頭の部分を引用する。書かれたのは音楽評論家、歴史評論家という香原斗志氏
「いま私たちがいろいろな分野で平穏を享受しているのは、『嵐の前の静けさ』に染まり、来るべき轟音に気づいていないだけなのではないか。そんな気がしてくる」
同感だが、どうにもできないところに日本という国がある。
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