殺人事件の記者会見で笑い顔

つぶやき

 川崎のストーカー事件においても、相変わらず警察の杜撰な対応が問われているが、マスコミもニュースソースの得意先ということもあり、あまり警察の失態は深く追及しない。

 「ストーカー規制法」ができるきっかけとなったのが、埼玉県桶川市で発生した「桶川ストーカー事件」であったことは記憶にある。警察が事件を起こしたようなものだとの批判がされた。

 ネットで調べてみたが、事件は平成11年のことだった。被害者と加害者の交際の始まりから殺害に至るまでの経緯がかなり詳しく掲載されている。実行犯は自殺し、主犯も刑務所で自殺している。
 
 ネットでは事件の詳細と共に、事件当時上尾署の刑事課第二課長をしていた片桐敏男という刑事に関する動画と記事が多い。
 告訴を受理せず、受理しても動かず、告訴取り下げを要求し、告訴状の改ざんまでしていたという刑事である。

 この刑事の記事が多い理由は、事件後の記者会見でのニヤニヤ顔にあるらしい。そんなことがあったのかと動画を見ると、記事以上に殺人事件の記者会見であってはならない片桐の不謹慎な笑い顔があった。

 動画の冒頭、「捜査一課長代理ですから、厳しい質問のないようによろしくお願いします。フフフ」。これから楽しいことでもあるかのように本当にニヤニヤと笑っている。

 隣の席に座っている署長かも知れない制服姿の警察官が、「何回も同じこと言わせないでください」と記者に言うと、ホントにしつこい記者達だ、と言うように署長らしき人物にフフフと笑いかけている。

 ともかく普通ではない。殺人事件の記者会見で本当に愉快そうに笑っている。

 この記者会見で片桐はさらに悪意に満ちた発言をする。
 被害者が違法薬物でも使用していたのではないかというニュアンスを口にし、遺留品について「バックはプラダ」「時計はグッチ」「厚底ブーツにミニスカート」と、不要な情報を詳しく説明した。

  マスコミはこれを盛んに報道して、「派手な女子大生」というイメージに仕立て上げ、そこから尾ひれがついて、被害者は「キャバ嬢・風俗嬢。ストーカーをされても当然の生活をしていた」と世間に思わせるような報道がされた。
 この辺のことは記憶にある。

 この刑事は事件後懲戒免職となり、虚偽有印公文書作成・同行使の罪で逮捕・起訴され懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を受けている。

 単なる職務怠慢ならば刑事罰を受けることはないが、記者会見における笑い顔や被害者家族に対する対応の無責任さが社会から非難を受け、警察としても文書改ざんを刑事責任として取り上げ、組織としての責任を回避したのかもしれない。

 この裁判で裁判長は片桐敏男の怠慢を非難しているが、被告人が事件後内外の厳しい非難にさらされたのは当然の報いだ、と述べている。裁判長が「ざまあみろ」と言っている。よっぽひどい職務怠慢が行われていたのだろう。

 事件当時警察がストーカー犯罪というものを想定していなかったとしてもこの片桐敏男という刑事がとった行動は異常である。事件当時の片桐の階級は警部で、役職は上尾警察署刑事第二課長。昭和27年生まれというから事件当時47歳。
 
 警察という組織で充分経験を積んできたと思うが、何を考えて警察官を何十年もやっていたのか。警察官という職業は、こういう人間を生む危険性を持っている。

 現在の片桐の動静は分からない。生きていれば今回の川崎でのストーカー事件。何を思って73歳を生きているのか。

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