「老人性うつと認知症」という記事を読む。
母は私の歳には認知症を発症していた。物が無くなると言い出した。それもあの孫が家に来ると物が無くなると言う。その孫はほとんど実家に来たことがないし、無くなった物というのは着もしない着物とか帯とかそんなものばかりであった。
ボケたら大変だと日記をつけたり、新聞の切り抜きなどをしていたが、80歳を過ぎた頃からはひどかった。
老人性うつというものがなんとなく判る。今でもうつっぽいところがあるから、これ以上歳をとったらそういうことになるかもしれないなと思う。
子供たちが古稀の祝いをしてくれて、それからあっという間に78歳。72歳で人生初めて入院を経験し、以後人生総決算のような病気を経験してきた。
病気をしても治る病気であれば治るし、体力気力があれば持ちこたえることができる。しかし体力気力があっても不安感というものは別物である。
よく夢を見る。いい夢ではない。起き上がってしまえはこれは夢だと思うが、布団の中にいると夢と現実の区別がつかない。
気にしないこと。深く考えないこと。忘れること。気を紛らすこと
子供の頃、親や先生に言われたことを守らないことが、老人性うつにならないためのコツという。
今日は女房の誕生日。私と同じ78歳。私も女房もまだボケの症状はない、と思う。
60を過ぎたあたりからお互いそれなりの病気を経験し、経過観察を受けるような体の異変を抱えている。
運が悪ければあの世行き。幸い運がよかったようで、この歳を迎えられている。
誕生日の祝いというものは、若い時は生まれたことを祝い、歳をとったら健康であることを祝う。
健康なときしかできないことだから、「この歳になっていまさら誕生日祝いはいらない」とは言うべきものではない。
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