八潮市の道路陥没事故。転落したトラックのドライバーは、今も救出されないままだ。冷たく暗い穴の中で、72歳のドライバーはどういう心境でいたのだろうか……。ご家族の気持ちはいかばかりであろうか。
国土交通省はこの事故を受けて、「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会」という有識者会議を設置したという。
結構なことだと思うが、この有識者会議などの委員の報酬は、かなりの高額という話を聞いたことがある。政府は有識者会議が好きである。
「インフラ」とは、英語の「Infrastructure」を略した言葉で、「基盤」や「下部構造」ということだが、そこから転じて「国家や社会の経済的存続に必要な基本的施設」の意味で使われるようになった、と「いまさら聞けないインフラの意味」に書いてあった。
「インフラ」といえば、道路や鉄道、上下水道、電気・ガスを思い浮かべるが、学校や病院、公園、福祉施設などの「生活を支える施設」も含まれることになる。インターネットもインフラということになるらしい。
八潮市の道路陥没事故は生活基盤である道路、下水が危険な状態であることを示したものだが、あまり新聞やテレビなどにあまり危機感はない。
メンテナンスを必要とする目安は「50年」だという。
50年を迎えるインフラは、下水道であれば2020年時点で全体の5%だったのが、2030年には16%、2040年には35%にもなるという。
以前から橋の老朽化が言われてきたが、現実味を帯びてきたようだ。
築50年を迎える道路橋は2020年に全体の30%だったが、2030年には55%、2040年には75%に達するという。
対策が取られていないということはないだろうが、問題は財源と人材。
道路や橋、上下水道の約7割は市区町村が管理することになっているらしい。
大都市近郊の市区町村であればまだいいかもしれないが、地方では人口減、過疎化、税収入不足、職員不足。対応できるはずがない。
全国市区町村のうち、25%の437団体では技術系職員が全くいない。約5割の827団体では5人以下の技術系職員だけでインフラの仕事にあたっている。このような恐ろしいほどの少人数で、インフラの点検や補修の発注、そのための予算要求などの業務を行っているのが、いまの日本の現状、と有識者会議の委員長さんが言う。
今でも橋を走るのが怖い。2040年というと15年後。その頃は車の運転はしていないから関係ないが、近いうち三途の川を渡ることになっても、船で渡ることもできるというから安心である。
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