家内の絵画教室のメンバーが、一人減り、二人減りという状況である。
97歳、84歳の方が病気と高齢を理由に退会。80歳と60代後半の人が入院による休会である。
平均年齢は78歳くらいになるのではないか。
これだけの高齢者のサークルがよくもっているものだと思っていた。そのうちバタバタとなってしまうのではないかと、よく家内と話をしていたが、どうやらそういうことになってきた。
このところ私の知り合いは絵画教室の女性ばかり。つき合いのある友人というものが全くいない。学生時代の友人はみんな亡くなってしまった。
仕事で知り合った人たちにはいい印象はない。
話をする人が家内の絵画教室の人だけ、というのも我ながら笑ってしまう。
いつも思うことだが、病は突然である。ちょっとした異変が重大な病気であることが多くなるのが高齢者というものである。
近所の人で杖をつく人や、杖代わりのキャリーバックに体をあずけて歩いている人がまた格段に増えた。
我が町は50年前に区画整理事業によって開発された町。当初30代の半ば頃に入居した人たちは80代半ばを超えている。40代で入居した人は90歳である。
若い頃ドイツの日本大使館に勤めていたという人の奥さんの姿がこのところ見えない。いつも二人で買い物に出かける姿を見ていたが、この何ヵ月か前から奥さんは杖をついて歩いていた。この何日か旦那さんが1人で歩いている。
声をかけてみたい気になるがそうもいかない。みんないろんな問題を抱えて生きている。
人との触れ合いが、面倒とか煩わしいとか不愉快ということになってきている。
コロナの頃、人と交わりを持たないことの気分の良さを語った人がいた。
昨夏にご主人を亡くされている。考えが変わるのだろうか。
みんなひっそりと家の中だけで暮らしている。女性たちの方が元気そうに見える。
男たちを見かけるときは、修行僧のような顔をしてひたすら歩いている姿である。
生きるために生きている。生きているから生きている。
要は、何がなんだが分からないが生きているということである。他人のことではなく自分のことである。
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