今日昼過ぎから映画「リバティ・バランスを射った男」がBSで放送される。
何度も見た映画であるが今は観る気がしない。ストーリーに納得できない部分がある。
納得できない部分とは、この映画のテーマである「リバティ・バランスを射った男」そのもののことである。
若い弁護士が悪がはびこる西部の田舎町で開業する。拳銃を持ったこともない若い弁護士が、ならず者の挑発に乗り決闘することになる。一夜漬けのような練習をするが勝てる相手ではない。
しかし決闘の夜、銃撃の後に倒れ込んだのはならず者のリバティ・バランスであった。
ならず者を射った若い弁護士は、その後「リバティ・バランスを射った男」として人々の喝采を受け、図らずも上院議員となる。
映画は、今では大物上院議員となったこの若い弁護士が、年老いて妻と共にこの田舎町に帰ってくるシーンから始まる。
記者たちからこの田舎町に来た理由を尋ねられ、友人の葬儀に参列することを語り、その中でリバティ・バランスを射った男が本当は誰であったかを明らかにする。
決闘の事実は、今はその上院議員の妻になっているが、その女性がかつて恋人であった牧場主の男に助けを求めたことから、彼が物陰から決闘時の銃撃に紛れてリバティ・バランスを射ったのである。
それを聞いた記者たちは、その話をオープンにしては「リバティ・バランスを射った男」の伝説が無くなってしまうと取り合わない。「リバティ・バランスを射った男」は今は高名な上院議員でなければならないとするのである。
監督はかのジョン・フォード。若い弁護士はジェームズ・スチュワート。友人の牧場主はジョン・ウエイン。リバティ・バランスはリー・マービン。
ジェームズ・スチュワートはこの時54歳である。この歳で正義に燃える若い弁護士役が似合った。リー・マービンの悪役が素晴らしい。彼はこの役の成功で主演級の役者になる。
この映画の納得できないところ。リバティ・バランスは闇討ちにあったということである。ジョン・フォードはこのことについて何を考えていたのだろうか。
バランスを射った銃はライフル。若い弁護士はおもちゃのような拳銃。銃痕を見れば一目で分かるはずである。
本当の「リバティ・バランスを射った男」のその後のことは一切画面にはない。どのような人生を送ったのだろうか。
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