PET-CTの結果

咽頭がん

 受診してからちょうど1週間後に、PET-CTの検査結果が出た。

 喉頭がんの手術を受けてから初めてのいわば精密検査であり、再発、転移、取り残しなどいろいろ心配を抱えての結果待ちであった。当日血液検査も行った。

 喉頭がんの再発は早いときで半年という記事を目にしていたので、名前を呼ばれたときは「そうなりゃしょうがない」と半分覚悟を決めて診察室に入った。

 結果はいずれも問題はない、という医師の話であった。いろいろ詳しく説明してくれるのかなと思ったが、実にあっさりとしたものであった。

 しかし取り残しのような微細な癌はPET-CTでも把握できない、という説明があった。

 これがこれから何年も続くらしい。いい結果であればほっとするし、悪いとなれば気持ちをどう納めるか、小心な私には自信はない。

 癌という字はやまいだれの中に品の字が山の上に積んである。頂上は岩だらけの、登るには険しい山のように見える。

 先日、歌のお兄さんと呼ばれた歌手がステージ3の喉頭がんであることを公表した。同じ病人として、幸運を祈る、としか言いようがない。

 癌は実に多様なようだ。発症した部位のわずかな違いで病状が全く異なり、再発も人によってしたりしなかったりする。その違いはどこにあるのか、医師もそれが分かれば苦労はない、ということらしい。

 喉頭がんは呼吸に関わる器官の病気だ。ネットなどにはそれ以上の記載はない。
 たまたま受診したPET病院の問診医が、私が通う大学病院で以前放射線医師をしていたということであった。

 毎月の検診は心身とも大変だろうが、しっかり医師に視診してもらうことが呼吸器官の病気にとって大切なことです、とアドバイスしてくれた。

 喉頭がんは発症率が低く、治癒率、生存率は高いとされるが、声を失うことが治癒の代償とされる病状が多く、少しでも放置するようなことがあれば壮絶という言葉が形容に使われる病気である。呼吸に関わる病気とはそのようなことなのであろう。

 定期健診で医師の結果を聞き終わったとき「再発は覚悟しています」という言葉が医師に対して語るつもりもなく口に出た。

 するとその医師は「再発しない人の方が多いんですよ」とうれしくなる言葉で応えてくれた。この医師からうれしい言葉を聞くのは初めてだ。

 「再発することはありませんね?」と口にしたら、どんな言葉で応えたのだろうか。

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