歌謡曲と言うのかポップスと言うのか、歌が分らなくなったのは「飛んでイスタンブール」という曲あたりからではないだろうか。
わけの分からない歌と言ったら作者に失礼であるが、わけの分からない歌をあえて作ったということなら、作者の意図に沿うことになりかえって、作品をよく理解していただいたと、喜んでもらえるかもしれない。
ずいぶん昔に流行った歌だと思うが調べる気にはならない。歌詞に何の脈絡もなく、馴染みのない単語が多い。それがシャレた、ということなのであろう。わけの分らない歌は分からないままにしておくのがいい。
ジャニーズ事務所のことで関心を持ったのは、先日の社長の記者会見である。所属タレントが、すでに亡くなられている前社長から性的被害を受けていた、ということに対する一応の対応である。
2点気になることがあった。ひとつは、そういうことがあったという時点からその社長さんは取締役であったが、取締役会とは名ばかりで経営に全く関与できず、取締役として責任を果たそうとしてもできなかった、ということである。
もうひとつは会見でのコメント内容である。法的責任を問われないように完璧な説明、受け答えをしている。推敲に推敲を重ねた文言であった。
加害者という人が死んでいるのだから、会社としても事態の真相を明らかにすることができないとして、今後はだんまりということになるだろう。最初にして最後の記者会見ということになるのではないだろうか。
ジャニーズの前社長さんという人は、以前も同じようなことで週刊誌が取り上げたのではなかったか。男色というのは性癖であるから「すいませんでした。これからはもうしません」ということで終わるものではないだろう。
G7がこの19日から始まる。日本での開催は今回で7回目ということであるが、7回目にして広島で開催となった。
平和をアッピールする日本としてはもっと早く広島や長崎で開催してもよかったのではないかと思うが、いろいろ事情があるのであろう。
広島は世界で初めて原爆を経験した町であるが、原爆と平和を結びつけるのは日本だけかもしれない。戦争を早く終わらせるため、戦争の犠牲者をこれ以上出さないために原爆は使わざるを得なかった、と言うのはアメリカだけではない。世界は広島、長崎に原爆が落とされたことは日本が悪かったからだと認識しているのではないだろうか。
広島は平和のシンボルと日本人は考えているかもしれないが、世界の首脳は軍国主義崩壊の象徴とみているかもしれない。
何年か前、オバマ大統領と被爆者の老人が、広島の原爆記念館で抱き合うシーンがあった。なんのためのハグだったのか。
広島の原爆の碑文に「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませんから」と刻まれている。当然、この言葉はおかしいという指摘はされているはずである。原爆を落とされた被害者に過ちがあったということになるからである。
しかし被害者としての言葉ではなく、全人類の課題としての言葉だと説明がされている。日本人は本当に見栄っ張りで、お人好しである。
G7開催までにLGBTに関する法案を国会に提出する必要があるらしい。G7議長国として性的少数者の人権擁護に前向きな姿勢を示しておかないと国際的なメンツを保つことができないということらしい。
その法案は「LGBT理解増進法案」という。LGBTに関する理解を増進するための法案。なんだこれは、という感じある。
こんな法案を法案と言えるのであろうか。自民党の議員立法だそうである。
こんなことが世界に通用すると思っているのだろうか。世界にメンツをつぶしたとしても選挙の票には関係ないことだから、とりあえず格好だけでも言うことなのだろうが、そんなことばかりしているから日本は世界有数の経済国と言いながら世界での尊敬を得られないのではないか。
LGBT問題は日本の社会の在り方に関わる極めて難しい問題だ、と岸田首相が述べている。建国以来2千数百年に関わる大変な問題を突き付けられたことになる。政府として結論を出すわけにはいかないだろう。
飛んでイスタンブールの「飛んで」は、「話は飛んで悪いが」、というときの「飛んで」である。脈絡も論理もないわけの分からない歌は、ある意味で居心地のいい歌である。こういう歌が必要な時もある。(了)
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