順位が下がれば上がる努力をするものだ

つぶやき

 誰でもおおよそのことは知っていることだが、日本の名目GDPは、1968年から2009年までの42年間、世界第2位の位置にあり、日本はアメリカに次ぐ経済大国だったが、その後中国、ドイツに抜かれ、現在は第4位となっている。

 今年はインドに抜かれ第5位になるらしく、 近い将来にイギリスやフランスに抜かれる可能性もあるという。 

 日本は下がったのか、周りが上がったのか。失われた30年とよく言われるが、とはいえものすごく日本が低落したとも思えない。ということは周りが日本を越えていったということになる、という理解でいいのだろうか。

 このことを証明する数字があるが、それを引用したところでどうということでもない。
 要は、世界各国が変わる中で、「日本は止まったままだった」 ということである。

 成長しているのは、G7諸国だけではなく、アジア諸国の成長はもっと顕著で、日本は、2024年に一人当たりGDPで韓国や台湾に抜かれたらしい。
 かつてアジアの貧しい国の人々が日本に観光に来る時代になった。日本は安いらしい。

 こんな事態になるとは、10年前には考えたこともなかった。この10年の間に、世界の多くの国々が成長を遂げたのだ。そして、日本は変わらなかった、とある経済学者は嘆く。

 駅伝でも止まったままでは抜かれてしまう。腹が痛くて走れなければ失格である。日本は失格したのであろうか。 

 経済失速がささやかれたとき、日本の技術が無ければ世界は動かない、と言ったものである。まだまだ日本は経済大国であり、心配するようなことはないといった論調が支配的であった。

 しかし、物つくりは安い人件費の中国人やインド人にやらせておけばいいと言っているうちに、技術も何もかもみんな盗まれて、今では立場逆転である。

 世界での順位がどうであれ、国民が豊かに生活できればそれでいいことであるが、本当のところはどうなのであろうか。

 自動車メーカーは合併せざるを得ず、かつて日本経済をリードした電機メーカーはアジアの新興会社の傘下に入り、株価は上がったが、景気がいいという話を聞かない。

 大手会社も含め人員整理が行われているはずであるが、そのニュースが出てこない。失業者がいるはずである。

 高齢者が働く機会が増えたというが、実際はどうなのか。5万や、多くても10万くらいの収入で、年金だけでは暮らしていけない生活のやりくりをしているという事ではないか。

 日本は止まっていると同時に何も見えてこない。順位が下がりっぱなしというのに誰も騒がない。これはやはりなにかおかしい。

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