特殊詐欺の被害額は、2022年は370億、2023年は441億、今年は11月末時点で581億円と警察庁は発表している。
冗談じゃない。どこかの悪徳不動産屋の売り上げでもあるまいし、特殊詐欺の被害額がこんなに高額で、毎年こんな率でアップしているとはとんでもないことではないか。
どんな面下げてそんなことを言うのか、と昔なら言うが、いつの世にも悪いことをする奴はいる、というレベルの問題ではない。何百億という金が毎年詐取されている。それが無くならないどころか、減りもしない。
騙される人間がいるからどうしようもない、と警察は言うのだろうか。
ネットには、「闇バイト、トクリュウ事件で成果を出せない警察組織への強烈な不安」という記事がさっそく載っている。
ここに引用するまでの内容ではないが、今の警察庁長官に対する「闇バイト事件への対応を見ていると、とにかく心許ない」という評価が印象的である。
詐欺被害額は減らない。今度は詐欺ではなく強盗によって、国民の命とお金が奪われている。目に見えた事件解決が進まなければ、「心許ない」と言われてもしようがないだろう。
警察はネーミングが好きなのか、今度は、「雇われたふり作戦」だそうである。
「トクリュウ」は、「匿名・流動型犯罪グループ」の略ということだが、こんなネーミングに何か意味があるのだろうか。
「雇われたふり作戦」というのもおかしな話である。雇われた「ふり」を最初からバラしていいのだろうか。「ふり」は内緒ということなのに、トクリュウに手の内を明かしているようなものではないか。
「雇われたふり作戦」でも「おとり捜査」でもなんでもいいから、凶悪犯人を捕まえるためなのだからさっさと実行したらどうなのか。
警察も官僚組織であるからなにか法的手続きに落ち度があれば責任を問われてしまう、という意識があったらトクリュウなど捕まえることができないだろう。
今の警察庁長官は、2022年の安倍晋三元首相銃撃事件をめぐる、警察幹部の一連の引責人事で警察庁長官に昇格したそうである。
ネット記事の最後は、火付け盗賊改め方長谷川平蔵の話で終っている。
密偵を使い、盗賊を裁判にかけることもなく処罰していった、江戸時代の警察官僚である。荒っぽい盗賊には荒っぽく対処するしかない。
「雇われたふり作戦」などと、子供の遊びのような名前を付けて悦に入っているようでは、やはり根本的な解決は難しいのではないだろうか。
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