降圧剤は飲むべきか(つづき)

つぶやき

 高血圧は病気ではない。降圧剤は飲みたくなければ飲まなければいいというだけのことである。
 私は、「飲まない」というほどの度胸がないから飲んでいる。しかし次のような話を耳にすると、やめた方がいいか、という気になる。

 高血圧の問題は、放置すると脳卒中など生命に関わる病気になるといわれているから医者にかかることになるのが始まりである。

 脳卒中というと脳溢血と理解していたが、脳卒中には3種類あるという。脳出血、脳梗塞、くも膜下出血。
 脳溢血という言葉は現在では使われないらしい。脳出血ということになっているが、脳溢血というほうが馴染みがある。

 しかし脳卒中という言葉で3つの病状を言うとしても、脳出血、くも膜下出血は出血であり、脳梗塞は血管のつまりである。病状の内容が全く異なる。

 50年ほど前はほとんどが脳出血であったが、いま脳出血は激減して、脳梗塞が8割、くも膜下出血は数パーセント程度という。

 脳出血が減ったのは人々の栄養状態がよくなり、細胞が丈夫にになり、血管が破れにくくなったからだということになっている。

 脳梗塞とは、血の塊が脳の血管に詰まる病気。血が勢いよく流れていれば詰まるということは通常ない。物が詰まるということは滞留しているからである。
 脳梗塞が断然多くなったということは、血流がよくない人が増えたということになる。降圧剤が脳梗塞の原因と考えるのは至極当然のことになる。

 年をとれば血管は動脈硬化ということになる。弾力を失った血管は拡張・収縮しにくくなるので、体のすみずみまで血液を送り込むのが難しくなり、そこで心臓は血圧を上げて血流をよくしようとする。「年齢とともに血圧が高くなるのは自然なこと」
 実に説得力ある見解である。

 降圧剤の種類にもよることらしいが、降圧剤の炎症を抑える作用には免疫不全を引き起こすものがあり、それはガンや敗血症の引き金になるという。
 
 さらには高齢者が血圧を薬で無理やり下げた場合、脳に栄養や酸素が行きわたらず、認知症になりやすいという説もある。

 確かに降圧剤による副作用の危険を強調する主張には合理性があり、納得できるものがある。
 しかし血圧を下げるということが医療上何の効果もないということではない。

 要はリスクの問題。リスクの期間が短いものであるならどうするかは簡単なことであるが、まだ5年、10年あるとすると面倒なことになる。

 脳卒中、心不全、がん、人口透析、認知症。人生にはいろいろなエンディングロードがある。

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