法務副大臣であるという柿沢未途という人が副大臣を辞任した、というニュースがあった。地元の東京都江東区長選挙における公職選挙法違反に関与したことが問題となったらしい。
そんなことはどうでもいいことだが、柿沢議員が小泉法務大臣に、「違法という認識はなかったが、深く反省している」、と答えたということが少し気になる。
違法という認識はなかった、ということは公職選挙法を知らなかった、ということである。法務副大臣で、しかも東大法学部出身という人が公職選挙法を知らなかったというのは、いくら政治家がいい加減な連中だとしてもひどい話である。
犯罪とは悪いことを、悪いことと知りつつ行うことであるが、悪いこととは知らなかった、としても犯罪になる。
違法という認識はなかったということは、悪いことと思わなかったということだが、そのこと自体に議員としての適格性を欠く。
木村弥生という江東区長を辞職した人は法的責任を問われるであろうが、柿沢議員も単に助言をしただけということで済まないはずである。
しかし議員の不祥事が続く。つい先日女性問題で辞任した山田太郎という議員は文科省の政務官であった。
売春防止法というものが今でもあるのか知らないが、売春は犯罪であるが、買春は女性が18歳以上であれば犯罪にならないらしい。山田議員の相手は20代だそうであるから二人とも罪になることはないようだ。
女性は金を受け取ったと言い、山田議員は払っていないと言う。金を払うのはいいことではないと思っているようだが、密室のことだから分かりようもない。
バレてしまったら、「女性が金を欲しいというから仕方なく関係を持った」、と言えば妻に対するいいわけになると思うが、そういう問題ではないのかもしれない。
女性問題というのはなにが問題なのであろうか。記者会見で、「皆様に過大なご心配とご迷惑をかけた」というが、誰も心配していないし、本人も迷惑をかけたとは思っていないはずである。
「まあ、もうちょっとうまくやればよかった」ということなのに、どうして辞任しなければならないのだろうか。責任感からの辞任ではないはずである。
何が違法であるかは時代と社会によって異なるが、今のところ政界においては女性問題は違法ということになっているらしい。辞任しないと選挙で女性票が減るということだろうか。それ以外に理由があるとも思えない。
女性問題というのは男の立場によって異なる。大物政治家の女性問題は男の甲斐性であるが、小物の女性遊びは単なる女好きの、みっともない話で終わってしまうものである。
木原稔という人が防衛大臣になった。妻の前の夫の死に関する疑惑が問われている総理補佐官の木原さんが防衛大臣になったのかと思っていたら人違いであった。
木原防衛大臣は10年ほど前、自身のホームページに、「教育勅語の廃止で道義大国日本の根幹を失ってしまいました。日本人が自主憲法を創ることこそが真の主権回復」などと記載している人であるらしい。
そのことに対して先日の国会で、「持論に変わりはないか」、と野党議員に質問されたが、「閣僚の立場でお答えすることは差し控えたい」と語った。
なぜ「閣僚の立場でお答えすることは差し控えたい」なのか良く分からない。
閣僚の立場でお答えすることがいいことならするが、どうもよくないことだから差し控える、ということなのだろうか。
そうであれば木原大臣は、教育勅語はいいことではないと思っているが、衆議院議員としてはいいことだと思っている、ということになる。そういう人が自民党にはたくさんいる。
つまらない話で始めたブログであるから、なつかしい話でを終えたい。と言っても大正時代の裁判のことである。
タヌキとムジナ事件という狩猟禁止に関する裁判である。
狩猟禁止期間中に猟師がタヌキを捕獲してしまった。逮捕されたが猟師は、捕獲したのはタヌキではなくムジナだ、と主張する。その地方ではタヌキをムジナと呼んでいた。動物学的にはタヌキとムジナは同じとされている。
タヌキの形状をしている動物を認識して捕獲したのであるから、名称はどうであれタヌキを捕獲したことになるのか、タヌキとしての認識をしていない以上タヌキを捕獲したことにはならないとするのか、いろいろ議論された。
判決は別の事実のことから無罪としたが、ムジナと思っていたものがタヌキだった。どう考えたらいいのだろうか。それを一生懸命考えた学生時代が懐かしい。しかしその後の人生になんの役にも立たなかった。(了)
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