朝のNHKニュース。《川崎で90代女性死亡 同居する娘と息子が事件に関わった可能性》
24日、川崎市高津区の住宅でこの家に住む90代の女性が死亡しているのが見つかり、遺体を調べたところ、死因は首を圧迫されたことによる窒息死で、警察は同居する娘と息子が事件に関わった可能性があるとみて捜査している。
現場には争ったような形跡はなく玄関や窓には鍵がかかっていて、事件のあと、同居していた59歳の娘と56歳の息子と連絡が取れなくなっている。
住宅からおよそ2キロ離れた踏切では、24日の夜に、男女2人が電車にはねられて死亡する事故があり、警察は所持品から娘と息子の可能性があるとみて身元の確認を進めている。
この親子に何があったのか想像できる。想像通りであればなんとも痛ましい事件である。
ネットには老々介護の末の殺害や、子供による親の殺害記事が多い。これほどまでに高齢社会は問題を抱えている。
この1月21日、認知症の夫を殺害して殺人罪に問われていた70代の女性に、執行猶予付きの判決が言い渡された。殺人罪で執行猶予がつくのは珍しいことである。
報道によると 、女性の夫は8年前に認知症と診断され、事件前には一日に何度も性的な行為を求めるようになっていた。
拒むと夫が不機嫌になることから女性は嫌悪感や負担感を強く抱いていたが、一方で夫の希望を叶えたいという意思もあり、強く葛藤していたという。 女性はうつ病にかかり、自殺願望を抱くようになった。
2023年11月、和歌山県の自宅で、女性は当時82歳の夫の首をタオルなどで絞めて殺害してしまう。一緒に死のうと犯行後自死を試みたが断念し、近隣住民を介して警察に電話をかけ、自首した。
殺人罪に問われた女性は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察は「行政サービスの利用や親族への相談など、殺害以外にも取れる手段があった」として、懲役5年を求刑。
和歌山地裁は懲役3年・執行猶予5年の判決を言い渡す。判決後、裁判長は「これからは悩みを一人で抱え込まず、『支援したい』と言ってくれている親戚や近所の人たちに相談して、一日一日を生きてください」と説諭したという。
認知症の夫の性的行為の強要。拒めば暴力という話もある。背筋が寒くなる。
執行猶予を付けられるのは原則として「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」とされている。
殺人罪の法定刑は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」。つまり、最低でも5年の懲役が言い渡されるために、通常、殺人罪には執行猶予が付かない。
裁判長さんは「被告人の心情は理解できる」と自首したことを理由に刑の減軽をして、執行猶予の要件を満たした。女性の裁判長であったらしい。
検察や裁判所は、「殺害以外にも取れる手段があった」とか、「一人で抱え込まず周囲に相談するように」というが、相談できないからこういうことになった。
何度も言いたくなるが、こういう問題は刑法で裁くようなことではない。刑法は人間を裁くものではない。
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