賠償金が安い

つぶやき
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 袴田事件の袴田巌さんは再審で無罪となったが、47年7ヵ月の拘留に対して2億1700万円の刑事補償金が支払われている。1日に換算すると12,500円くらい。

 袴田さん側の弁護団は、国と県に対して6億円を国家賠償請求を予定していると言われる。刑事補償金と国家賠償請求による賠償金は別物。

 大川原化工機冤罪事件の社長らが、東京都と国に計約5億7千万円の国家賠償を求めて提訴したが、裁判所は都と国に計約1億6千万円の賠償を命じた。
 
 日野市の保育園の園児に対する暴行と傷害の罪に問われ、無罪が確定した元保育士の吉冨弘敏さん(36)はこの2日に、国と東京都に計8600万円の国家賠償請求訴訟を起こした。 

 過去の国家賠償訴訟における賠償額は大まかに、1億円の請求に対して3000万円くらいとされている。

 国の違法行為によって国民が損害を受け、それによって将来が立ちいかなくなったとすれば、生涯の生活費を賠償すべきだと思うが、国家賠償額は安い。

 国家賠償は国と国民の問題だが、個人間の不法行為による損害賠償請求においても裁判所が認める額は低い。

 最近はやりのセクハラ訴訟においては、賠償額は10万から50万くらいとされている。1000万請求してもこんな額にしかならないらしい。勝ったところでそんな金額では弁護士の費用で消えてしまう。

 ちなみに不同意性行為の賠償額は100万から300万くらいとされている。被害者が一生心に傷を負って生きていくことの最高賠償額が300万。
 何をもって算出するのだろうか。

 新車をぶつけられて傷ものになった時、修理代は当然認められるが、慰謝料は認められない。精神的損害がないから、というのがその理由だが、新車を傷つけられた心の痛みというものはある。

 日本の慰謝料はなぜ安いのか。
 裁判所は慰謝料請求をゴネ得と理解しているのではないだろうか。お上の手を煩わしてまで詫び金を取ろうとは不届き千万、という考えがあるのではないか。

 しかし刑事事件で無罪になったとしても拘留されることによる失われた時間や人生はどうしたって戻らない。金で解決する以外ない。

 しかし被害者が、このくらいはもらわないと、と思う金額を裁判所が認めないというのはおかしい。世の中の状況を勘案してというが、勘案するどうして安くなるのだろうか。
 
 裁判所というところは古い物差しばかりおいてあるのではないだろうか。

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