警察官という職業がどのような人格を形成するものなのか。
人を拘束できるという権力を持つことの危うさが作り出す職業の特性。警察官の人格というものに信頼を持つことはできない。
警察官が人を拘束できることの意味については、警察学校で十二分に教育を受けるのであろうが、あまり教育効果はないようだ。
警察官らに人種差別的な扱いを受けたとして、南アジア出身の40代の女性とその娘が東京都を相手取り損害賠償を求めた訴訟の判決が5月下旬、東京地裁で言い渡される。以下は毎日新聞に掲載された訴えの原因となった内容である。
女性は民族衣装に身を包み、イスラム教徒としてヘジャブという布で髪を隠している。
3年程前、3歳になる娘さんを都内の公園で遊ばせていたら、近くにいた男性から、「息子が(女性の)娘に蹴られた」と言われ、「ガイジン」「日本の税金で食っているゴミ以下」などと罵倒された。
男性の通報で駆けつけた警察官は「お前がどうせ蹴ったんだろ」などと発言し、「蹴っていない」という女性の主張を聞こうとしなかった。
母子は警察へ連れていかれ、約3時間の事情聴取を受けた。
帰宅やトイレ休憩などの希望は聞き入れられずに、男性の言い分を認めるよう一方的に求められた。3歳の娘一人だけの聴取も行われた。
女性が拒否したにもかかわらず、警察は女性の氏名や住所、電話番号を男性に教えた。
男性はSNSに女性の写真を無断で掲載した上、女性が生活保護を不正に受給している可能性があるなどと事実無根の投稿をし、「警察から注意喚起として写真掲載の許可を得ている」と書き込んだ。
警察は裁判で母子に対する人種差別的な扱いを否定し、事情聴取なども適切だったと反論。民事裁判を起こすことを目的として男性が警察に女性の連絡先を教えるよう求めたため応じたが、女性の承諾は得ていたと主張した。
女性は「警察に犯罪者のように扱われ、とても怖かった。帰りたいと言っても帰してもらえなかった。連絡先を男性に渡すことを了承しなければ聴取は終わらないと言われたが、同意するわけがない」と新聞記者に語っている。
この記事は本当なのだろうか。警察はこんなことをするのだろうか。しかし一つ言えることは事の発端は「3歳の娘さんが男の子を蹴った」ということである。そもそもそのことがおかしい。
3歳の娘が男性の息子を蹴ったというが、それによって男性の息子は大怪我でもしたのだろうか。女性に対し裁判を起こすから連絡先を教えろというのは脅しでしかない。それで警察が男性に女性の連絡先を教えるというのもおかしな話である。
この記事をそのまま読めば女性の話には真実性がある。男性の言動も警察官の言動も常軌を逸している。
人種や国籍により理由なき職務質問など差別的扱いを受けているとして、何か月か前に外国人たちが国を提訴したことがあった。
警察から犯罪者のように扱われ不当な差別を受けた、と言う女性の主張は証拠不十分として裁判所はいつものように認めないかもしれないが、3歳の娘を尋問したかどうかという事実の認定ぐらいはできるはずだ。
3歳の娘を尋問して警察はどうする気なのか。本当に尋問したというのであれば、モラルも理性もない、ただの野蛮である。(了)
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