きのう、久しぶりに日高市のJA農産物販売所に行ったが、米の棚に米はなく、「売り切れ」の紙が貼ってあった。
坂本農水大臣が、「もうじき新米が出るから、それまで買いだめしないで待っていれば米不足は解消する」と言っていたのは6月頃の話であった。
8月には大阪府の吉村知事が、政府に「備蓄米」の放出を要請したが、坂本大臣は、「米の需給や価格に影響を与える恐れがある」などとして、否定的な見解を示していた。
9月3日には、記者の、「いつごろからスーパーに並ぶのか」との質問に対し、「昨日 スーパーに行ってみて、店員さんの話では、『水曜日には入る予定』ということを言っておられました」と、返答した。大臣は店員さんのメッセンジャーであった。
9月6日には、「コメの円滑な流通に取り組むよう要請する」と、米の卸売業者などに対して表明した。円滑な流通はなされていなかったことになる。
要は、コメ不足に対して政府は深刻にはとらえていなかったようである。
コメの値段が倍になったという話もある。
日本人は節度があると言われているが、そんなことはない。誰だって明日の米に困るとなれば買いだめする。
値上がりした分は誰の懐に入るのか。卸売業者とは大手商社のことではないだろうか。もちろん、傘下の関連会社ということになるはずであるから、商社の名前は出ない。主食が倍にでもなれば、儲けは莫大なはずである。
米がない、値段も上がっている、という現実がある。
備蓄米の放出は、「米の需給や価格に影響を与える恐れがある」と坂本大臣は言っていたが、備蓄米の放出で、米の値段が下がることはあっても上がることはないはずである。つまり値上がっている現状をこのまま維持したい、と言っているのである。
政府の施策にいちいち文句を付ける気はないが、コメの不足が予想され、そうであれば当然価格が上がるのは火を見るよりも明らかなこと。それを未然に対処するのが政府ではないか。
坂本大臣を批判することになるが、この人は農業政策のエキスパートなのだろうか。
放っておけば解消するというのでは子供の擦り傷である。
こういうことが予想されるから、それを回避する政策を行った、ということが日本の行政にはない。
手打ち、手締め、手拍子、万歳三唱と、政治家はいろいろな手を使うが、国民のために手配り(てくばり)することが最も必要なことではないか。
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