老後破産とか老後資金の不足とか、裕福なシニアの転落とかいった記事が多い。高齢者の不安をあおることが目的のようである。記事の内容もとりとめもなく、何がポイントなのかも分からない。
そんな中で先日判りやすい記事を見た。年金額と支出額を一応確定させているのである。いろいろなケースを網羅する記事が多いが、数字が錯綜して読む方は戸惑うばかりである。しかしこの記事は、
年金額は夫婦2人で月に23万483円。(令和6年の平均値)
世帯の支出は約28万円。
と具体的に例示して説明をしている。
約28万円の支出は、消費支出が平均で約25万円、税金や健康保険などの非消費支出が約3万円と内訳が示されている。
平均して日本の高齢夫婦二人の世帯においては、月の生活費は28万円。5万円が持ち出しということになる。
その一方で、「ゆとりのある生活をするには月43万円必要である」という民間調査会社の調査内容を紹介している。この場合15万円の持ち出しになる。だいぶ差があるが、28万の生活費というのはギリギリということではないだろうか。
もちろん28万の生活費が無理な人もいるし、43万以上の生活費でもなんともない人がいるだろうが、なんとなく老後生活の相場というものが判った気になった。
この43万という調査結果の数字に関心がある。ゆとりのある生活に必要な額とされているが、特別大きなゆとりがあるとも思えない。ごく普通の生活ではないか。生活費を切り詰めている人から見ればうらやましい金額となるが、普通に生活するのにやはりこのくらいはかかるのではないだろうか。
昔は年金で普通の暮らしができたようだが今は無理である。支給開始時期もどんどんずれ込んでいる。
人口減少により年金制度の破綻は今から40年以上も前から指摘されていたことであるが、解決できるような問題ではない。
年金が生活費の一部になった。「寸志」という感じである。(了)
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