伊藤忠商事など3社がビッグモーターを買収して、新たにWECARS」(ウィーカーズ)という会社を設立したらしい。
ビッグモーターの不祥事。いつの事だったかと記憶が薄らいできた。保険金の水増し請求や車検の不正、わざと車を傷つけるなど、ありとあらゆる悪さをして業績を上げてきた会社であった。
4000人を超えるという従業員の生活を考えれば、大手商社がバックについて、事業継続できれば結構なことである。
商社が買収したということであるから、中古車市場というものにはうまみがあるのだろう。人助けで商社が買収することなどあり得ない。
外観は立派に見える会社に不祥事が絶えない。あってはならないことが頻繁に起きている。日本は偽装社会ということになってしまった。
以前マンション耐震偽装、牛肉偽装など大きな問題があった。これらの偽装問題は他山の石にはならなかったようだ。
天下のトヨタまで自動車検査をごまかしている。紅麹による死亡は偽装ではないかもしれないが、健康のためのものが人を死に至らしめたことはなによりも悪質である。紅麹によって何人の人が死んだのか。
ジェネリック医薬品が効かないという話は看護師さんからよく聞く。成分偽装問題は解決しているのだろうか。
薬は信じて飲むものである。疑ったところで確かめようもない。
企業というものを考えざるを得ない。孫たちもあと数年後には社会人となる。多分勤め人として人生を始めるだろう。日本の企業に人生を託していいのだろうか。
ビッグモーターや小林製薬などを持ち出すまでもなく、企業は経営者の利益のためにある。
従業員に給料を払うが、それは自分たちが儲けるための経費であるからだ。
経営者は何千万、何億という報酬を得るのに、従業員が受け取る額は高くてもわずか500万である。従業員の働きに対する報酬という意識が全くない。
若い頃働いていた建築会社の社長は会議の度にこう言った。
「わいはお前たちに給料を払っているが、お前たちはわいにいくら儲けさせてくれたんか」。大阪人であるから言葉が汚いが、本音というよりそのままである。
私はまともな会社に勤めたことがないから、大企業とか、優良企業と言われる会社での働き方がどういうものであるのか知らない。本当にいい仕事というものはあるのだろうか。
起業、転職ということが当たり前のように言われるようになった。
今の時代は大企業でも社員が40歳代になると、なんとなく長居できないような社内環境を作るのかもしれない。独立しないと能力が無いように思わせるのかもしれない。
以前若い銀行員が銀行を辞めていった。「もったいないじゃないか」と私は彼に言ったが、彼は「銀行がいい就職先であった時代は終わりました」と私に答えた。
人生、選択肢が増えたのか。私にはどう理解していいのか見当もつかない。(了)
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