結婚と離婚を繰り返す  

つぶやき

 結婚と離婚を5回も繰り返したという女性がテレビに出ていた。5人の男性と結婚・離婚をしたということではない。

 この人は夫婦どちらかが苗字を捨てなければ結婚できない理不尽な制度を変えたい」と、夫婦同姓を定めた民法を憲法違反として他の同調者と共に提訴している。

 どうしてこの女性は結婚と離婚を5回も繰り返したのか。

 この女性はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の技術系職員として数々の論文を発表したり特許を取得したりしている人である。

 30年前に今の夫と結婚したが、執筆した論文や研究の成果で取得した特許の名前を婚姻前の苗字に統一する必要性を実感し、そのため離婚して事実婚となった。

 しかし、子どもを産む時、「非嫡出子」や「相続問題」などのことを考え再び婚姻届を提出することになる。

 その後、パスポートの更新時期にいわゆる「ペーパー離婚」をして、住宅を購入するときには結婚しないとローンが難しいと不動産業者に言われ、また結婚した。

 このように人生の節目で支障が生じるたびに同じ夫と結婚と離婚を5回繰り返すことになり、今は事実婚だという

 最高裁判所は過去2回、夫婦同姓制度を合憲としているが、反対意見もあった。夫婦同姓制度の合理性を認めつつ、制度の不備は司法ではなく立法の問題だとした。
 それを受けた立法府は国民の意識度の問題だとしたが、その後なんの審議も、国民の意識度の調査もしていない。

 法務省が2010年に海外の19か国を対象に行った苗字に関する制度の調査によると、日本のように夫婦で同じ苗字を義務づけている国は無かったという。

 同姓と別姓のどちらを選んでもいいという国が多く、韓国、中国などは別姓を原則としている。
 日本は夫または妻の姓を選択するとしているが、95%近くが夫の姓になっている。

 夫婦同姓制度は何が問題なのだろうかと考えた。前述した女性は、「苗字を変える不都合をすべて女性に押しつけている」と述べていた。

 夫婦同姓の問題は女性の不利益の問題として考えるべきであったことに気がつかなかった。
 
 岸田首相は以前、夫婦別姓は国家の根幹にかかわる問題、と発言していたが、
そんなことが国家の根幹に関することであるならば、日本という国はどういう国だというのだろうか。

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