岸田首相は本当に穏やかな人である。野党の議員にあんな言い方をされても平然と原稿を読んで答弁をしている。
私だったら「やってられるか」と憤然として席を立つ。普通の人なら我慢できないはずである。茶化して言っているのではない。大した忍耐力だと思う。
政治の世界では議論に負けるということがない。負けたら政治生命が終わりということなのだろう。勝たなくても、うやむやでも、負けなければいいということが政治の世界では大切なことであるようだ。博打と同じである。
先日、女子サッカーの日本と北朝鮮の試合後、負けた北朝鮮の監督が記者会見をしていたが、韓国の記者の、「負けた原因はなんだと思うか」という質問に答えなかった。「悪意ある質問には答えない」と言うのである。
たしかに新聞記者の質問というのは、いやがらせ以外のなにものでもない。
自民党青年局の過激なダンスショーパーティーで、藤原青年局長と中曽根青年局長代理が辞任したが、この記者会見もひどい。
記者の質問も下品。答える人もしどろもどろ。「こんなみっともないことをやったのだから答えようがない。なにを答えろと言うのか」と記者を睨みつけたら格好いいと思うのだが。
政治家だって羽目をはずしたいという気持ちは分からぬ話ではないが、自民党の青年局と言ったって10代や20代ではないはず。若き青年の過ちというわけにはいかない。「みっともない」ということに尽きる。
しかし羽目を外すということが、どうして下着姿のダンスショー、チップの口移し、ということになるのだろうか。
何かがあると「皆様に多大なご迷惑をおかけしました。申し訳ありません」と謝罪する。誰も迷惑を受けていない。ただ呆れてるだけである。
今回のダンスショーはどこかの県議が企画したものらしく、その県議もこの言葉で謝罪会見をした。無意味な謝罪だと思うが、これで謝罪したことになっているのが日本の社会である。
自民党の梶山幹事長代行は、「費用については、公費は出ていないということだけは確認できております」と述べた。意味不明である。
仮に会費制だとしたって議員の給料は公費から出ているものではないか。会費制ではないとしたら裏金しかないではないか。
世耕議員の秘書が出席していたらしいが、例のキックバックの金が使われたのではないかという質問に、地元の政治活動に還流金は使用していない、と答えた。この人は立派にシラの切れる人である。
政倫審の答弁に関してはタレント議員からも批判されている。そんな程度の答弁であったということである。
文書通信交通費(現在は名称が変わっている)というものが、歳費の他に月100万円議員に支給される。この経費は使途を明らかにする必要がない。カラスに餌を撒くようなものである。
家族の生活費、銀座のクラブの飲み代、愛人へのお手当て、というのが遣いみちとして一番多いらしい。愛人を秘書にしている女性議員もいる。
野党が育たない、国民も関心がない、国会は嘘ばかり、政治屋の醜態、次の総理の駆け引き。
もう少しなんとかならないものであろうか。何も分かっていない年寄りが、ブログに政治不信をつぶやいているような政治ではあまりにレベルが低い。(了)
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