病気を治す病院を探す

つぶやき

 日本を代表する女性ピアニストが大腸がんで亡くなられてこの7月で7年が経つ。
 最近、椅子に座ることと大腸がんとの関係が指摘されている。N響のチェリストも大腸がんで55歳の若さで亡くなっている。

 女性ピアニストは当初お腹の具合が悪く、近所の医院を受診したところ、単なる腹痛という診たてだったらしく、腸の飲み薬をもらっただけだったという。

 何日か飲んでも改善しないので、医療関係の知り合いに相談したら大きな病院での検査を薦められ、その病院で腸閉塞を診断されるが、その時大腸癌も見つかったということらしい。2年近くの闘病の後亡くなられている。

 大腸がんという重大な病気があるのに近所の医師はなぜ簡単に腹痛として薬を処方するだけで患者を帰してしまうのであろうか。町医者だから癌とは気がつかなかった、ということはあってはならないことである。

 今の医療は最初から大きな病院には行けないようになっている。初診料を多く払えば行けるのであろうが、基本的には開業医等の紹介状が必要とされている。

 高度な医療を、それを必要とする患者に適切に行うために必要な処置とされるが、しかし開業医の診たて違いの話を聞くと心配になる。肺がんをどうして風邪と診断するのだろうか。咽頭がんや食道癌も風邪と診断する医者が多い。

 開業医の場合、医療機器の点でも問題があるのではないかと思う。ファイバースコープなど、機器によってはかなり鮮明度が違うらしい。

 私が初めて喉の違和感で開業医に診てもらった時もそうであった。医師がこのカメラでははっきり見えない、というのだ。
はっきり見えなファイバースコープで何を診断するというのか。はっきり見えるものは高額で買えないということだろうが、医療はそんなことなのだろうか。

ステージ4の肺がんを宣告された人が、家族の努力によりその後10年近く元気で生活をしているという記事があった。
家族の努力とは、直してくれそうな病院や医者を一生懸命探したことである。このような話は今まで何度も目にしたことである。

 癌を宣告する病院は、余命や治療方法がないことの説明はするが、その病院では行わない治療をする病院や医師を紹介することはない。

 余命1年か、10年生きるかは、本人にも家族にも決してわずかの期間の違いではない。いい医者を探すことがなにより大切なことになる。

 大病院の先生が言うことだから間違いはないはずであるが、他の方法がないということではない。大病院の先生の診たてに諦めることはない、ということである。

 今の医療は、病気を治すところと病人を紹介するところに分かれている。病人を紹介することすらしない医者もいる。

 近所の医院は、内科から肛門科、整形外科まである。医師は一人である。血圧150の年寄りに、対応できないから他の病院に行ってくれ、と紹介状も書かず初診料だけ取る。

 150くらいの血圧で対応できないとは医者ではない。こんなことをやっていてもう何十年も開業している。保険制度が破綻するわけである。

 病院と言えばどこでも立派なものと思っていたが、どうもそうでもないらしい。ちゃんと病気を直してくれる病院を探すことがなにより大切な事になってしまった。(了)

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