男性は主人しかいなかった

つぶやき

 60代は親を亡くす歳。70代は兄弟や友人を亡くす歳。自分が先になってはそういうことは言えないが。

 この何年かの間に、友人や知り合いが何人も亡くなった。見送るほどの間柄ではないが、そうであっても人生知り合った人の死は胸に響く。

 ゴルフを何度か一緒に回ったことのある近所の知人が、今年の初めころ亡くなっていた。87歳だったそうである。
 残された奥さんは18歳年下であり、知人は妻も子供も捨てての同棲であった。

 先日、家内が偶然奥さんと会い、聞いてもいないのに、「もうじきすべてがおわります」、と家内に言ったという。籍も入って遺産協議ができたらしい。
 
 知人は医者であったからなかなかの資産家であった。私に語っただけでも、中央線の駅前にビルを所有し、クリニックを3ヵ所も持ち、ゴルフは名門ばかり5ヵ所くらいは持っていた。自宅は言うに及ばずである。

 分別盛りの男がすべてを捨てて走った女性である。知人の気持ちが理解できるような女性であった。
 大分やつれた様子だったようだが、「私には男性は主人しかいなかった」と家内に話したという。

 「私には男性は主人しかいなかった」という言葉には、「まさかあなたのような人が」という場合と、「言うまでのことではない」という場合がある。

 「まさかあなたのような人が」の場合の女性には、夫に先立たれた悲しみがあるが、「言うまでのことではない」という場合の女性は、カラオケだ、ジム通いだ、麻雀だと、忙しそうな人が多い。死んでもこういう女房とは一緒にいたくない。

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