津波警報と実演販売

つぶやき

 きのうは一日中津波警報となった。朝8時過ぎに、カムチャツカ半島沖でマグニチュード8.8の強い地震が発生。気象庁は3メートルの津波警報を出したが、各地で4,50センチの津波が来たようだ。

 すべてのテレビチャンネルが、なかなか来ない津波の待機画面となる。午後からのワイドショーも同じ。BSなら何かやっているかと思って回すと、テレビショッピングばかり。それこそ民放BS、テレビショッピングのオンパレードである。

 テレビショッピングというのは、いわゆる実演販売のスタイルをとることが多い。ときどきデパートで見かけるが、もともとは大道商人。寅さんはテキヤであるが、似たようなものであった。

 しかしこの実演販売の出演者。単なる口八丁手八丁の軽薄な物売りと侮ってはいけないらしい。今ではそんじょそこらの芸人には及びもつかないようなファンがいるというのだ。

 ジャパネットなんとかという通信販売会社の創業者の社長さんは、すでに現役を引退されているが、この人もその世界では、誰も真似のできなかったセールストークを確立したとかで、業界の人達の尊敬を一身に集めているという話もある。

 実演販売にも上手い下手がある。そんなことにも巧拙があるのかと思うが、それこそ手の動きとか、言葉の使い方とか、全体の流れとかに、やはりうまさというものはあるらしい。

 しかし実演販売の上手い下手も、自分が実演販売人にならなければどうでもいいことである。

 世の中、どんなことでも中に入って判ることと、外にいて何も分からないことがある。陶芸の一片の焼きムラが国宝になることもあれば、汚れで終わってしまうこともある。

 私の人生、中に入ることがあまりなかったような気がする。中に入ってもあまりいいことはなかった。

 これからの人生、自信をもって外にいようと思う。外にいるべき人間が、なまじ中に入ろうとするから不愉快な思いをすることになる。

 しかし外は中があって存在するもの。今の私には中がない。中がなければ外もない。これを高齢者の疎外感というのだろうか。

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