「株取引というものは、例えば、100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に賞品を与える、という美人コンテストのようなものである」
もちろん私が言うことではなく、100年以上も前に、イギリスの経済学者が言っていることである。株取引のイロハとされている。
自分が美人だと思う人に投票するのではなく、誰もが美人だと思う美人に投票しなければ、賞品をもらうことができない。
100人の女性が、それぞれの個性でみんな美人であれば、誰もが美人だと思う美人に投票することは簡単なことではない。
どうでもいいことだと言いながら、自民党総裁選のことを考えていたら、株取引の話を思い出した。
どうも総裁選挙というものに重みがない。実質、内閣総理大臣を選ぶことなのに、まったく国民が関与しないというのが、どう考えてもおかしい。
国民が選出した議員によって構成される議会において総理大臣は選任されるから、民意は反映されているということになるが、そんなきれいごとを言ったところで意味はない。総理大臣は自民党内の駆け引きで決まる。これはやはりどう見てもおかしい。
またまた三原じゅん子議員を書くことになった。この人を取り上げるのは、自民党政治というものを体現している人だからである。
野田聖子元総務大臣は総裁選出馬を表明しているが、まだ20人の推薦人が集まっていないらしい。
野田議員は過去3回、総裁選に出馬表明をしたが、20人の推薦人を確保できたのは前回2021年の時だけである。
前回の総裁選で野田さんの推薦人代表となったのは、三原議員であった。
三原議員は野田さんに対して、「私を政治の世界に導いてくださった母」
「私が自民党の国会議員でいられるのは野田大臣のお陰。このご恩は絶対に忘れない」と公式サイトで述べているらしい。
その三原議員が、今回の総裁選では小泉進次郎候補の選対に入り、地方議員班を担当しているという。
当然のごとく、これを野田氏に対する裏切りだとみる向きも党内にはあるし、ネットでも、「義理も人情もねえな。この人」といった批判が続いている。
「勝ち目のない人にいつまでも感謝なんかしていられない」と三原議員は眼光鋭く啖呵を切ることだろう。
この人の風貌からして、「義理と人情」の世界に生きている人かと思っていたが、そこまでの人物ではなく、「うらぎりと薄情」だけの、うわついた人だった。こういう人に税金を使いたくない。
政治はいい加減なものではないが、いい加減な部分もある。
誰に投票すれば自分が儲かるか。総裁選は株取引と同じである。
だから暴落することもある。
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