9時と思っていた歯医者の予約は9時半だった。30分以上待って治療椅子に座ると正面に「今日の言葉」
「その字の通り 心に耳をあてると 恥ずかしいことばかりだね」
こういう言葉は何度も見てそのたび感心してきたが、これはまた、なるほどうまいことを言う。私も心に耳をあてるとその通りである。
治療が終わって会計がいつものより500円ほど安い。
今日は安いねと言うと、「入れ歯の修理をしていませんから」という。
入れ歯の修理は毎回依頼しているものではない。前回、歯茎にあたって痛い部分を削ってもらっただけである。そのときの費用は、いつもの点検と歯茎の掃除だけのときと変わらなかった。
会計の女性の説明に矛盾がある。「入れ歯の修理をしてないから安い」。そうであるなら今までずっと高い費用を払ってきたことになる。
歯医者の請求というのは結構いい加減なところがある。
以前かかった歯科医の治療が思わしくなく、翌日再治療をしたらまた治療費を取られたことがある。
歯科医に、昨日やった治療がうまくいかなかったから今日わざわざ来たのだから、今日の治療費はタダではないか、と尋ねた。
歯科医いわく、「そうしたら歯医者の経営は成り立たなくなります」
何を言っとるか。駅前に住宅兼用の大きなビルを建て、それで経営もなにもあったものではない。
どんな商売だって失敗したら金を取るどころか返すことになっている。
そこまで言わなかったが、失敗しても金を取るというのは医者の奢りでしかない。ビルが建つわけである。
この歯科医院の待合スペースに、日本の歯科大学のトップと言われる大学の証明書が飾られてあった。
あの大学の卒業生かと思ってよく見ると、その大学が行った、ある年の何週間かの講習会の終了証であった。
卒業しているのなら卒業証書を飾るはずである。壁一面証書らしきものばかり。しかし卒業証書はどこにも見当たらない。なんでもいいから手あたり次第「証」という字のつく書類をかき集めたのかもしれない。
国立大の卒業証書なら何をおいても飾るだろうが、医者や歯科医の場合、私大となると場合によっては飾らないほうがいいのかもしれない。
伊東市の市長さんも、卒業でも中退でも除籍でも、そんなに変わらないと思うのだが。
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