暑い日の内視鏡検査

つぶやき

 大腸検査の予診を受けたとき、問診票から私の喉頭がんの病歴を知った医者は、「胃もやりましょう」と言う。

 胃に関してはなにか特に異常があるということもないから、「必要ですか」と尋ねると、「だって喉頭がんをやっているのでしょう。食道も見なきゃあ」と医者はいう。

 食道カメラというものはないが、胃カメラは食道を通って胃に達するから、食道のチェックができるということである。

 この医師の指摘は、実は私が喉頭がんの手術以後気にしていたことである。
 
 頭頚部がんというのは重複がんであることが多い。食道がんを発症してから喉頭がんや咽頭がんを続けて発症することはそんなに稀なことではない。女優の秋野暢子さんは典型的な重複がんであった。

 首すじあたりからのど、口腔、鼻腔と、狭い範囲でみんな隣り合っているのだから、重複がんになりやすいというのは理解できる。

 3年前に喉頭がんの手術を受けてから経過観察を受けてきたが、喉頭がんの再発を検査しているだけで、重複がんになりやすいと言われる咽頭や食道などのチェックが行われることはまったくなかった。

 1年に一度のPETCT、半年に一度のCT、毎回の血液検査は、重複がんの検査なのかもしれないが、私のかかる病院からは、胃カメラの受診を勧めるような積極的な指示はない。

 私の心配性がそう思い込ませているのかも知れないが、そんな時に、「だって喉頭がんをやっているのでしょう」という医者の言葉は、聞き流せるものではない。

 「苦しくない内視鏡検査」というのがこのクリニックの宣伝文句であるが、やはり大腸カメラは苦しい。鎮静剤を投与しての検査というが効果がない。

 胃カメラ、大腸カメラを手際よく終えて、診察室で大腸ポリープ10個と食道、胃から2つ組織の採取しました、という医者の話を聞く。

 10個の大腸ポリープとは驚きである。一昨年も、その前の年も何個かのポリープをとったが、ポリープとは雨後の筍のようにはそんな発生するものなのか。医者は「歳のせいです」という。

 ポリープは数ミリくらい。食道と胃の細胞採取もそんなに危険なものでもないらしい。

 35度の日差しの中、妻の肩につかまりながらの往復の道。
 なにか考えてもよさそうだが、タダ暑く、歩きにくいだけだった。

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