明鏡止水は嘘である

つぶやき

 自民党の安倍派などによるパーティー券の還流問題は派閥の政治資金パーティー裏金事件」という呼称になるらしい。裏金事件」とはなかなかいい。

安倍派の衆院側、参院側でトップだった塩谷立、世耕弘成両氏
離党勧告を最重処分として関係議員ら39人の処分が決まったようだ。
 
 離党勧告とされた塩谷氏は「独裁的・専制的な党運営に断固として抗議する」と弁明書に記し、安倍派議員の大量処分について「まるでスケープゴートのよう」と批判した。

「独裁的・専制的
「スケープゴート」。こんな言葉が自民党の議員の口から出るとは思わなかった。

 政治ジャーナリストの田崎史郎氏は塩谷氏について「この人は処分されて当然です」テレビで発言している
 御用ジャーナリストと言われている田崎氏が言うのだから、塩谷氏はいろいろ問題の多い人であったのであろう。

 一方の世耕氏は離党届を提出した。議員は辞職しないらしい。無所属で衆院選に出るという話もある。

この人は近畿大学の理事長もしている
しい。大学教職員の有志らが理事長辞任を求めて集めている署名が2万7千を超えたと報じられている。こんな人が理事長であっては近大も評判を落とすことになる。

 世耕氏は離党の心境を問われて「明鏡止水」と答えている。

明鏡止水とは、「一切の邪念がなく、穏やかで澄み渡った気持ちをもつこと」という意味である
世耕氏の言葉に
誰もがだろう思う。恨み骨髄。臥薪嘗胆というのが世耕氏の心境ではないか。とても明鏡止水を口にするような人相ではない。

 自民党の歴代首相経験者や大臣は明鏡止水という言葉をよく使う。
 総理大臣を辞任するとき使ったとされているのは、古くは鳩山一郎氏、最近では宇野宗佑氏である。

宇野氏は
60日余りで総理大臣を辞めざるをえなくなった人であるが、辞める理由は神楽坂の芸者問題であった。月30万円で買春をしたと報じられた。
 そんなことで総理大臣を辞任するというのに明鏡止水いう言葉をつかった。どういうふうにこの言葉を理解していたのだろうか。

 あの森喜朗氏も総理大臣の時ではないがこの言葉を使っている。東京オリンピックの国立競技場の計画見直しの時である。
 ただこの人はこの言葉の意味を分かって言ったのかが不明である。言葉のTPOが理解できないらしくいろいろ問題を起こす人であった。

 考えさせられるのは上川外務大臣が法務大臣をしていた時の発言である
 オーム真理教の麻原彰晃ら13人の死刑執行に際し、上川大臣は明鏡止水の心境であると答えている。

一切の邪念がなく、穏やかで澄み渡った気持ち」で死刑執行の判を押したということになる。

この人は東大の教養学部の出身であるから明鏡止水の意味は分かっているはずである。誤用ではないだろうが、他に言葉がなかったか。
 
 明鏡止水は、明鏡止水の心境にないときに使われる言葉のようである。
 明鏡止水の心境になっていれば、明鏡止水という言葉に気がつかないものである。()

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