日 々 雑 感

つぶやき

 このところカブの漬物がうまい。我が家は糠漬けである。昨年の入退院によって体重が減ったが、最近は回復どころか太り気味である。

 気をつけないとまた血圧だの血糖値だのと面倒なことになる。漬物がおいしいと食が進む。きのうはカブと一緒に鮮やかな色に漬いたなすが出てきた。

 茄子紺という言葉があるくらいである。この色に染まった、噛むと歯が滑るようななすが好きである。

 そばを食べ歩いている。そば屋のはしごもするようになった。女房に言わせれば炭水化物ばかりはよくないと言う。私はもりそばしか食べない。てんぷらなどをつけるとそばの味が分らなくなってしまうからである。

 きのう高速代往復3000円払って880円のもりそばを食べに行った。前回は素晴らしいと思ったが今回はだめだった。

 きのうは30度を超え、かなり暑かったがそのせいだろうか。そばはデリケートであるが所詮そばである。うまい、うまくないということを超えて平然とすするものかもしれない。

 大分前であるが、新聞の人生相談で毒母という言葉を知った。娘を自分の支配に置こうとする母親のため、生きていくのが苦しいという女性の悩みが多かった。

 昨日出先で買った雑誌に毒親についての特集記事があった。毒父というのもあるらしい。自分の子供たちとの接し方と併せ、思わず読み込んでしまった。いずれゆっくり考えてみたい。

 以前ブログに、喉頭癌も今のところ再発・転移もないことから仕事に復帰した方が精神衛生上いい、などと書いたら、さんざん家族に心配をかけておいてひとり病気面をしている、と娘に叱られた。

 娘は妻にも言わなかったらしいが、数年前大病を患っていた。頼りにならない父親であったのだろう。

 甥子2人が気になる。甥子と言っても60に近い。亡くなった姉の子であるが、2人とも若くして結婚して若くして離婚した。

 結婚式は都内の一流の結婚式場だったが、結婚当初からうまくいかないだろう、と私は思っていた。いずれも甥子の方に責任がある。

 これからの人生どうするのだろうか。何とかやっていけるのかと思うが、やっていけるとも思えない。人生の結末にどんでん返しはなさそうだ。親にも責任があると、死んだ姉を思い出す。

 近所に何人もの独身の娘さんがいる。離婚して戻ってきた人もいれば、ずっと独身の人もいる。みんなもう50歳に近い年になっている。

 この人達も将来どうするのだろうかと思う。親が生きているうちはいいが、親たちも80歳の壁とかにさしかかっている。人の心配より自分の心配だが、本当にどうなるのだろうか。

 ひとり身の結末を何人も見ているから、心配してもしょうがないことを心配してしまうのである。

 女房の叔母が昨年102歳で亡くなったが、子供がいなかったことから老後の施設への入居や葬式、納骨まで女房がやらなければならないことになった。

 叔母の入る霊園の事務所から、費用や今後の管理などについて打ち合わせをしたいという連絡書が届いた。うっとうしいことである。関係ないと言い返したい。

 叔母夫婦に初めて会ったのは50年以上も前の、私たちの結婚の挨拶のときである。その時は叔母の夫も、独身であった夫の妹も健在で、その2人の母になる人も90歳近い年齢で生きていた。

 あの時赤の他人の私が、将来この人たちの墓守をしなければならないことに決まっていた事になる。私には関係のない人である。しかし捨てておくわけにはいかない。

 妻が絵の会から帰ってきて、先生に絶賛されたと私に一枚の絵を見せた。たくさんのサイコロキャンディーをまき散らした絵である。私もいいと思った。

 妻は何事も一生懸命やっているような印象を人に与えない。庭の手入れも、料理や洗濯等の家事も、いつの間にか始めて、いつの間にか終わっているという感じなのである。

 「あんたもやってよ」、などと品のないことは絶対言わない。それを聞かないことに生活のレベルを感じている。

 絵もそうである。考え込んだり悩んだりという姿を見た事がない。大げさなキャンバスに向かうということもない。知らないうちに絵ができている。

 今年も庭に妻好みの薔薇が咲いたが、鬱陶しいほどの花数になる前に切り取られていた。薔薇は数輪あればいいということらしい。

 妻のこういう美意識や立ち振る舞いを見ていると、前世は高貴な家柄のお姫様ではなかったかと思うことがある。私とやることが全く違うのはそのせいではないかと思うのである。

 実はそのことをわざわざ私に言いに来た人がいるのである。私の仕事の依頼人の年配女性である。

 妻のなにに感心したのかは分からないが、「奥様は滅多にお目にかかれるような方ではありません」と言うのである。おかしな人には見えなかった。

 私の病気では心配をかけてしまった。妻の動きによってずいぶん安心を得たことがある。

 そのお礼と言ってはなんだが、今日の日々雑感はこのままウケもねらわず、褒めたまま終わったほうがいい。(了)

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