岸田首相には少し期待感を持っていた。根拠があるわけではないが、悪い人相の人ではないな、ということだけである。
あまり過激な発言もせず、以前の首相のような国民の権利をあからさまに制限するような強い意志を感じることもないからである。よく言えば穏やかな首相である。
しかしこの先退陣するようなことになったら、岸田さんは何をやったことになるのか、今までの発言はどうなるのか、という疑問が残る。
「真摯に重く受け止めている」
「国民の信頼回復に努めていきたい」
「課題に一つ一つ取り組んで結果を出し、責任を果たしていかなければならない」
「火の玉となって先頭に立つ」
ということはどうなるのだろうか。
大きな問題となった政治資金規正法も、問題だらけの文通費も火の玉になっているとは思えない。
日本の政治家が考えていることは、国民が考えているものとは全く違うものなのではないか。以前からそう思っていたが、最近では推測が確信に変わった。
岸田さんの発言と行動の不一致。これは尋常なことではない。言葉の意味するところと、その言葉を発した以後の行動が全くの別物となっている。しかし、言葉にした通りのことを行っている、というのが政治家の意識である。
女性議員の差別発言や不倫行為。男性議員の、書き出したらきりがない不祥事。なんでこんなことを議員さんがするのか、ということばっかりである。
岸田さんが海外に出かけて行って満面の笑みを浮かべて外国の首脳と握手をしている。支援金の申し出は必ずすることになっているようだ。
内憂外患と言うが岸田さんを見ているとなんの問題もないように見える。
補選で全敗したことは国民に対する失敗ではなく、自民党内での問題であることになっている。責任政党と言うのであれば、「補選全敗は国民に対して責任を果たしていない」、と認識すべきことである。
岸田さんのあのにやけた顔はどうしてなのだろう。真面目な顔をして答弁書を読んでいるが伝わるものがない。
岸田さんが退陣するとき、「総理の任務を果たすため全力を出し切った」と言うのではないだろうか。冗談ではなく本当にそう思って言うと思う。(了)
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