末と先はどう違うのかと考えている。すこし酩酊している。「行く末」(ゆくすえ)と「行く先」(ゆくさき)の違いである。
「行く末を案ずる」という言葉はあるが、「行く先を案ずる」という言葉もあるらしい。いずれも将来に対する不安を示す言葉であるが、意味において違いはないようだ。
しかし「行く末」は末という字からか、あまりいい将来ではないようだが、「行く先」は行く先が決まっているようでもあるし、決まっていなくても、「いい将来が待っている」というニュアンスがある。
高齢者は「行く先」は決まっているから「行く末」を案ずることになる。
「行く末」ばかりを考えず、「行く先」を考えればいいというのが健康食品のテレビコマーシャルだが、実生活はそんなに単純なものではない。
若い人達には「行く先」を決める時がある。自分の目指す「行く先」を見つけ、「末は博士か大臣か」ではなくとも、いい「行く末」の人生を送ってほしい。
老境の身になっては、若い人達の「行く末」を見届けることは叶わないが、「行く先」が決まった時は、盛大に祝いの膳を囲みたい。
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