上 流 社 会

つぶやき

 確か早稲田大学だと思うが、ハイソサエティオーケストラという学生バンドがあった。今でもあるかもしれない。

 なぜハイソサエティなのか。ハイソサエティという言葉には上流社会の他に意味があるのかと思ったらこれしかない。
さすが早稲田の学生は、上流だという自負があるらしい。

 上流社会というと、何も知らないのになんとなく明治時代の華族、という言葉が思い浮かぶ。

 華族と貴族はどう違うのかと思ったら、華族は明治以後に作られた階級らしい。
もともと日本には公侯伯子男
なる爵位はなかった。

 新しい政治体制において、幕藩体制における藩主の処遇として華族制度を作ったらしい。
特権階級ということだが、ご先祖の大半は戦国時代の野武士のような出身。時が経てば盗賊も海賊も貴族や華族である。

 ほとんど上の方の社会というものを知らない我が家において、何年か前から上の方の社会と思われる情報がもたらされるようになった。

 それは娘の夫の海外赴任がきっかけである。孫は中学時代をヨーロッパの日本人学校で過ごすことになった。

 上の社会というのは、その日本学校に通う子の親の職業や学歴である。娘が妻に伝えることを聞くだけであるが、父親は東大、母親はお茶の水か東女。

英語、フランス語、ドイツ語はペラペラ。こういう人たちが当たり前のようにいるらしい。これは我が家では想像もつかない、やはり大したことである。

 孫が日本に帰って私大トップクラスと言われる大学の付属高校に入学した。自慢話をするわけではない。同級生がやはりすごい。東京や隣接する県の中学校のトップクラスが集まっている。親のレベルも半端ではない。

 今、孫の家にはフランスの男子高校生が交換留学生として滞在している。正確には留学ではなくホームステイということだと思うが、来年は孫もフランスに行くことになっている。

 優秀な子であるらしい。日本などに来て何を得て帰るのか。南フランスからこんなせせこましい日本の町に来て申し訳ない気になる

おにぎりだのラーメンだの結構楽しんでいる
ようだ。大宮の氷川神社に行きたいという話もある。ネットの時代、いろんな情報を得ているらしい。

 孫たちがいい生活をしているということではなく、いい世界に接している。私の時代には考えられなかった。

いつも親や親せきから苦労話ばかり聞かされていた。苦労話を聞かせれば子供はまっすぐに育つものだと思い込んでいたようだ。

今はそんな時代ではない。カラッとした伸びやかな環境に子はいるものである。苦労しなければ一人前になれないというのは三流の考えることである。

 来週、フランスの青年は我が家に遊びに来るという。娘の家には和室がないから、ぜひ畳の部屋を見せたい。

背は180センチ。目はブルー。
顔は色白で飛び切りのハンサム。イブ・サンローランの香水の匂いがさりげなくするという。とてもとても私の出る幕ではない。()

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