弁護士の報酬は高すぎる

つぶやき

 相続人のいない親戚の孤独死は迷惑この上ないが、天涯孤独の身、我が家の電話番号を緊急連絡先とした哀れさを思えば、無下に放っておくわけにもいかず、この2週間相続人不存在という法律手続きに煩わしい思いをしている。

 しかし、弁護士の報酬が高すぎる。相続人不存在という単純な手続きでも100万円という金額になる。住民票1枚取り寄せるのに、代理行為になるとして消費税込みで22万円である。そんなべらぼうな話があるかと言いたい。
 
 司法制度の改革として司法試験の合格者を従来の500人から2000人くらいにしたのは、経団連かどこかの経営者団体の幹部が、あまりに弁護士の報酬が高いことに憤慨して、政府を動かしたということが始まりという話を読んだことがある。

 弁護士たちも弁護士の数が増え、過当競争になってなかなか商売がうまくいかないという話があるが、あまりタチのよろしくない法律事務所というのが増えているらしい。着手金などを受け取って何もしないという弁護士がいるらしいのだ。

 先日、以前仕事で世話になった弁護士の名刺を探すのも面倒なので、ネットで事務所を調べて電話をしたら留守電になっていた。留守電になるような小さな事務所ではない。
 
 しばらくして弁護士と名乗る人から、「電話をいただいたようで」と電話があった。
 私の知り合いの弁護士ではなかった。どうやら事務所を間違えたらしい。

 しかしその弁護士は、間違い電話だったということを言っても、とても親切に対応してくれた。「是非事務所にお出で頂いて詳細をお聞きすれば、即座にお力になることができると思います」、ということであった。着手金として22万円をお持ちくださいと言う。

 それから1日経ってネットを見てみると、その法律事務所の口コミというのが目に入った。見てみるとひどい内容であった、と同時にその弁護士が所属弁護士会においてわずか8年の開業期間に、2回の懲戒を受けていたことが分かった。いずれも着手金の詐取というようなことである。

 危うく私もその被害者ということになるところであったが、そんな弁護士がなぜ今でも弁護士でいられるのであろうか。業務禁止にするべきではないだろうか。

 弁護士たちの数を増やして競争させ、報酬の低減を図ることは結構なことであるが、彼らが扱う仕事は依頼者にとっては死活問題であることも多い。
 事務所の維持に追われ、無責任な弁護士たちが増えるようでは、なんのため司法改革なのか。

 司法書士なども事務所維持のためと称して、不動産業者に対するリベートを、依頼人が支払う報酬に上乗せして騙し取り、依頼者から訴えられるような事件が多いらしい。

 国家資格者であるから間違いはないということはない。特別に権限を与えられた国家資格者であるから、間違いを起こしやすいのである。
 
 高齢化社会。騙すのはオレオレ詐欺のような特殊詐欺だけではない。知識が無い、というところにつけ込む国家資格者というのもいるのである。

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