異次元の少子化対策と岸田総理は言うが、どこかで聞いたことがあると思ったら、あの安倍首相の金融政策でも使われた言葉ではなかったか。
少子化問題とは何が問題なのだろうか。私などは人口が減ってもそれなりの社会であればそれでいいではないかと考えるが、異次元という言葉を使うほど少子化問題を深刻に認識しているというのであれば、常識から離れたよっぽど思い切った対策がとられなければ解決しないはずである。
少子化問題は社会の構造によって生じた問題である。補助金だの税制優遇だの、手先のことで解決できるようなものではない。もはや先送りはできない、と言うが岸田総理はどこまで覚悟しているのだろうか。
極端に言えば少子化問題は、国家が国民の妊娠から出産、育児まで管理しなければ解決できない問題である。それだけ特殊なあるいは困難な問題である。
予想される人口減少が、日本という国の存亡に関わるというならば、このくらいの考えを国民に提示すべきである。そんな覚悟が岸田総理にあるだろうか。すでに後退とも思える発言をし始めている。
出生数の資料を見てみると、今から120年も前の1900年(明治33年)の出生数は142万人である。当時の人口が出ていないが、10年後の1910年(明治43年)で約5000万人である。
2020年(令和2年)出生数は84万人。人口は1億2000万人である。確かに加速的な人口減少であることは間違いない。
少子化問題は国家が関与することでも関与できるものでもない、という気がする。
国民が子供を産みたくないと言っているわけである。
もちろん社会的、経済的背景というものもあるのだろうが、それが早急に改善するとも思えないし、それが改善したところで少子化問題は解決するというものでもない。
政府が人口問題を、労働力の低下による国家存亡の危機と言うなら、移民政策を進めればいいのではないだろうか。
日本は、外国の若者を研修生などと称して安い労働力として使うせこい考えは思いつくが、移民政策をとるような国家大計を考える政治家など一人もいない。
そういう私も外国人が日本で生活するのは好きではない。どう考えても少子化問題は解決するとは思えない。(了)
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